きょうは「海の日」。全国で海をめぐる様々な催しが行われ、海洋レジャーを楽しむ人も多いだろう。国民生活と密接な関わりを持つ海だが、同時に日本国の存立そのものに直結していることを忘れてはならない。 当たり前ではない恩恵 四方を海に囲まれたわが国は、海から多くの恩恵を受けている。豊富な水産資源は生物多様性の面でも群を抜いている。海外に依存するエネルギー資源や食料の殆どは海を渡って運ばれてくる。自動車や電気製品など日本で作られた工業製品も海を通じて輸出される。 何より海は、わが国の安全を守る上で、天然の防壁としての役割を果たしている。こうした恩恵をわれわれ日本人は、これまで当たり前のことのように捉える傾向があった。だが近年、状況は大きく変わりつつある。 これまで、無尽蔵のように錯覚されてきた水産資源が大きく減少している。2013年の日本全体の養殖を除く水揚げ量は376万㌧と、ピーク時(1984年)