前回の記事で、海賊対策において海上警備行動と海賊対処法では大きく異なるところは無く、むしろ後者のほうが武器使用要件が緩和されていることを示した。 関連エントリ:海賊対処において海保に与えられたもう一つの役割 新法に切り替わったが、海上警備行動と護衛の実態に大きな変化はない。『“O丸”と“O丸”をA点に何時発で護衛するように』という指示が来るのも同じ。違う点は日本関係船舶ではなくとも登録できることと武器使用基準が緩和されたこと。我々が守っている護衛対象船舶に対して海賊行為を行う場合は、警告射撃から正当防衛射撃までできる。それは海警行動も一緒。 これは、まったく現実を知らない主張であるといえる。というのも、先に示したように現状の海賊対処法と出来ることは変わらないどころか、むしろ制限されているからだ。それは、海賊対処法の成立の経緯を見ていればわかる。 領海警備を前提とした海上警備行動では護衛