【台北=田中靖人】台湾の国防部(国防省に相当)は9日までに、日中戦争で国民党軍を支援した米航空義勇隊「フライング・タイガース」の塗装を施した空軍機を公開した。中国に対抗し、戦争の主体が「中華民国」だったことを改めて強調する狙いがある。 当時の塗装が「再現」されたのは、F16と経国(IDF)の各2機。「抗日戦勝利70周年」を記念して7月に行う「戦力展示」に参加する。ただ、操縦席の脇には「撃墜数」を表す日章旗が描かれており、日本側関係者は「現代の戦闘機にこのような塗装をする意味があるのか。日台関係への配慮に欠ける」と不快感を示している。 一方、国防部は9日、日中戦争で従軍した元兵士らに勲章を授与すると発表した。申請があれば中国大陸の居住者も対象とする。 勲章は、1946年10月に授与された「抗戦勝利記念章」の復刻版。日中戦争の発端となった衝突が起きた盧溝橋の上に、蒋介石の肖像などが描かれている