ベーリング海の真ん中に浮かぶプリビロフ諸島で、10月半ばごろから餓死したり衰弱しきったエトピリカが大量に見つかっている。(PHOTOGRAPH BY PAUL MELOVIDOV) 10月半ば、米アラスカ州セントポール島の海岸に海鳥、エトピリカの死骸が打ち上げられた。最初は数羽だったのが、数十羽に、さらに数百羽に増えていった。ボランティアたちは初めのうちは車で死骸を探していたが、あまりに数が多いので車を降りて徒歩で回収し始めた。 エトピリカは、黒い体に白いマスクを着けたような顔、橙色のくちばしをもつ海鳥だ。太平洋の北、ベーリング海の真ん中に浮かぶセントポール島で、この鳥が次々に死んでいるのはなぜなのか。いつもならエサの豊富なベーリング海に、異変が起きているのだろうか。(参考記事:「“癒しの鳥”パフィンの越冬地がついに判明」) 生命豊かな海に訪れた異変 ベーリング海は北米で最も多く海の幸が獲