取材班が粘り強く取材を重ねて掴んだ重大な証言 月刊「文藝春秋」取材班は、兵庫県警が作成した捜査資料を入手するなど、20年にわたる断続的な取材を通して、新事実を掴んだ。 「僕はね、野村さんが116号事件に関与していたと朝日新聞阪神支局の事件直後からずっと思っていたんです」 そう語るのは、不動産会社「サム・エンタープライズ」元社長の盛田正敏氏(79)だ。「野村さん」とは、1993年に朝日新聞の東京本社で自決した“新右翼のドン”こと野村秋介氏である。取材班は、約10年前にひそかにアメリカから帰国した盛田氏に対し粘り強く取材を重ね、重大な証言を得た。 「これまでの出来事は誰にも言わなかった。野村さんが亡くなって30年になるが、今も心の奥底にずっと引っかかっている……」 二つの事件後、野村がリクルートに求めた「要請」 116号事件は、1987年1月24日、朝日新聞東京本社に散弾銃が撃ち込まれた事件か