「おかださん問題」について、パワハラだとか、ジェンダーの問題に還元するのは他の人に任せるとして、私はあくまでもオタク論的観点で思うところを書きます。 90年代半ば、彼と彼周辺では「物事に対してクールに客観的に突き放し、論評するのがオタク」ということがよく提唱されていたように思う。 ・その1 これはサブカル論壇的な流れで言えば、まず80年代の「マルクス主義」の徹底した相対化、という運動があったらしい、ということに端を発する。80年代の現代思想は、マルクス主義を完全に客観化・相対化する作業に血道をあげていた。 浅田彰「逃走論」などにおいて、ひとつのことに没頭し、視野狭窄になってわけがわからなくなることを避けるため、スキゾキッズとかなんとかいう言葉を出して来て、思想的に一種の「フットワーク」を身に付けよ、というのが過去の、マルクス主義の失敗に対する反省として出てきていた。 まあ、80年代の高校生