◆◆◆ 「国民の命を守るのは政治の第一の責務」とは、安倍晋三首相が繰り返してきたフレーズのひとつである。 だが、今回のコロナ対策では、失策が続き、それをカバーしようと言葉を尽くして説明を試みるも、国民を説得することはできず、言葉が空回りする場面が目立った。 この安倍首相の「言語能力」を厳しく批判するのはノンフィクション作家の柳田邦男氏だ。 何を話していたのか頭に残らない…… 〈もともと安倍首相は、語彙が乏しいとか、決まり文句を繰り返すだけで核心をそらすことが多く、本当の心情がつたわってこないと、政治記者などから評されていた〉 「スラスラだけどツルツル」。国会答弁やインタビューは常に立て板に水。だけど後から思い返すと、「何を話していたんだっけ?」と頭に残らない……安倍首相の不思議な“言語能力”がコロナ対策でも発揮されてしまったというのだ。