冒険心をくすぐる国。マダガスカルにはそんなイメージを抱いていた。日本からはるか遠くアフリカ大陸の東南に位置する島国で、童謡でおなじみのアイアイや体の色を変化させるカメレオン、サン=テグジュペリ作の童話『星の王子さま』に登場するバオバブの木など、珍しい動植物が多く生息する。そんなワクワクする国の料理が東京で食べられると聞いたら、行かないわけにはいかない。 降り立ったのは東京・御茶ノ水駅。楽器店やライブハウスが軒を連ねる「音楽の町」だ。おもしろいことに、マダガスカル料理が食べられる店もライブハウスだという。地下へと続く階段を降りてドアを開けると、グランドピアノが置かれたしっとりとした店内。1969年創業の老舗ジャズ・ライブハウス「NARU」である。 「マダガスカル料理の提供を始めたのは3年くらい前からです」と話すのは、2代目オーナーの成田広喜さん。なぜ、そんな珍しい国の料理を出すようになったの