土曜「考える」【Opinion北海道】サケの孵化放流、どうしたら? 北海道大大学院農学研究院教授・荒木仁志さん 札幌ワイルドサーモンプロジェクト共同代表・有賀望さん 北海道を代表する魚、サケ(シロザケ)。北の大自然の象徴的存在だが、その多くは漁業資源保護のために人工孵化(ふか)・稚魚放流された魚だ。多くは川で産卵する前に人に捕らえられ、自然のサイクルからはほど遠い終末を迎える。そんな孵化放流のあり方を問い直す動きが最近出てきた。札幌市の豊平川で生まれた市民運動「札幌ワイルドサーモンプロジェクト」に関わる専門家2人に、サケ保護の今後について聞いた。■ヒトとの新しい関係を●北海道大大学院農学研究院教授・荒木仁志さん 北海道の大多数の川では、戻ってきたサケのほとんどを河口付近で捕ってしまい、翌年に人工孵化(ふか)した稚魚を大量に放流しています。そのような行為にはリスクがあるという議論がずっとあ