建設業本体とファブリケーターとの関係について鉄骨BIMを通して俯瞰すると、BIM運用に関する現状の課題と可能性が透かし絵のように浮かび上がってくる。 □3次元データに基づく正確な数量把握により、明確なコスト意識を関係者間で共有□ 建設業とファブリケーター双方にとって鉄骨BIM採用のメリットは明確だ。 鉄骨工事に際して建設会社が躯体、仕上げなどの施工図は描くが、鉄骨製作図はファブリケーターが描く。建設会社は鉄骨製作図と共に3次元データがあれば、外壁、設備、昇降機などとの取り合いを正確かつ迅速に把握できる。 ファブリケーターも3次元データをもとに建設会社と情報共有することで、頻繁に繰り返されていた変更も極力、減らせるので、手戻りも少なくなり、利益率向上に結びつく。 最もメリットが大きいのは、数量把握=積算=相見積もりについてだ。数量把握の根拠と3次元データをお互いに共有していれば、ファブリケー