今では“本気”“一生懸命”といった意味のカジュアルな俗語として広く使われているガチ(ンコ)という言葉だが、本来は相撲・プロレス業界における隠語だ。隠語である以上、業界の人間は表立っては使わない。というより、基本的にそんな言葉はないものとされる。 だが11月9日、“プロレスの聖地”後楽園ホールのスクリーンに堂々と「プライドを掛けたガチンコ勝負」なるフレーズが映し出されてしまった。やらかしたのは、よりにもよって『まっする』(ひらがなまっすると読む)だ。マッスル坂井/スーパー・ササダンゴ・マシンがプロデュースする、DDT系エンターテインメント・プロレスの極北である。 前身であるカタカナの『マッスル』から、このプロレスイベントは台本があることを公言してきた。それ自体が「本当は台本があるんじゃないか」などと揶揄される、プロレスが置かれた状況への批評になっているわけだ。 DDTの若い選手たちをフィーチ