「スタバやドトールはすごいですよ! あの値段で高いレベルのコーヒーを提供できるんですから。コーヒー好きのアマチュアなら自分なりの“真理”を追求できますけど、プロなら採算を考えないといけないので」 東京・神保町の片隅にある「眞踏(まふみ)珈琲店」。店主の大山眞踏さん(33)がこの店をオープンしたのは、2016年9月のこと。小さな戸建てで、1階は喫煙が可能な11席のカウンターとテーブルの2席。2階は禁煙のテーブル席で、約4000冊の本が壁面を埋め尽くしている。本はすべて大山さんの蔵書。大学時代に社会学を専攻し、米国留学の経験もある大山さんは、貧困やマイノリティーをテーマに研究していたこともあり、本棚には社会学系の学術書が数多く並んでいる。一方で漫画、小説、サブカルチャー系の本も豊富で、コーヒーを飲みながら気軽に手に取りたくなるようなラインナップだ。 高校時代からコーヒー好きだった大山さんは、コ