TOTOが2020年から行っているユニークな取り組みに、社内留学制度によるデータサイエンティストの育成がある。各部門から選出された社員を、データ革新活動を推進する部門で一定期間「留学生」として預かり、AIや統計解析等を駆使してビッグデータを解析できる人材を社内で育てるというものだ。 留学を終えたデータサイエンティストは、各部門へ帰任。それぞれの現場で、製造設備の予知保全、生産時の製造条件レコメンド、計画業務自動化など、さまざまなデータ革新を起こして効率化や新たな価値創出に結び付けているという。TOTO技術本部技術統括部でデータ革新推進室長を務める上田忠雄氏に、この制度について話を聞いた。 衛生陶器工場の良品条件の分析から発展 社内留学を請け負うデータ革新推進室の発端となったのは、同じ技術統括部のCAE(Computer Aided Engineering)技術グループだったと上田氏は振り返