日本橋兜町といえば、ロンドンのシティー、ニューヨークのウォール街と並ぶ世界有数の金融街、というのは昔の話。株の電子取引化に伴い、証券会社は東京証券取引所を中心にしたこの町にオフィスを構える必要がなくなった。そのため、少し寂れた雰囲気を漂わせるようになっていた。 しかし、今年になって空いていた古いビルに、若手オーナーによる飲食店が相次いでオープンした。その中核的な存在が、今年2月に開業したマイクロ複合施設「K5(ケー・ファイブ)」だ。東京証券取引所のすぐ裏手、大正12(1923)年落成の重厚な石造りのビルで、ホテルやカフェ、レストラン、ビアホール、バーが集まっている。 今日のお目当てはこのビルの1階の「tea & library bar 青淵(あお)-Ao-」。ビル正面玄関の右手に垂れ下がった赤いのれんをくぐると、赤を貴重とした、シックな雰囲気の空間が広がる。両側の壁上部の本棚にはびっしりと