ネットマーケティングの世界は一見、高度な情報分析が浸透している分野のように見える。だが、2006年からSEM(検索エンジンマーケティング)専業のコンサルティング型代理店を営むルグランの泉浩人代表は「日本企業における取り組みは、先進的なリアル店舗の顧客情報活用のレベルにまだ達していない」と指摘する。泉代表に日本企業のネットマーケティングの実情と課題を聞いた。(聞き手は井上 健太郎=ITpro) ネットマーケティングの視点で見ると2011年は何がテーマになるだろうか。 BtoC(企業対個人)の分野では購買力のある客にどれだけリピーターになってもらえるかだ。BtoB(企業間取引)ではリードナーチャリング(見込み客の育成)施策だろう。 ただしネット通販に取り組む大手企業でも、関連する情報を横串を通して分析できる体制がまだ整っていないことが多い。必要なデータが分散して、企業内の個別サイロに入ってしま