──本書であなたは、人間の男と女、また他の哺乳類における雄と雌における、根本的な差異について語っておられます。すなわち、前者(男・雄)は継続的に小さな、またある意味では安上がりな生殖細胞(精子)を大量に生産し、後者(女・雌)は、より大きな生殖細胞(卵子)をずっと少なく生産します。 これが意味するのは、二つの性はその長い歴史において、それぞれの行動様式ついての異なる動機・誘因を持ち続けてきたということであり、またそのことが二つの性の共存に緊張をもたらしてきたということです。 進化生物学者でもなければ、何十億年にもわたる生物の性的再生産の深遠さを歴史的に理解することは難しいでしょうし、また、生物の性的再生産に関わる行動様式は繰り返し練り上げられ複雑化してきてもいます。 たとえば、体内受精に相当の時間とエネルギーコストをかける哺乳類を観察してみると、それは魚やカエルなんかとはまったく違うわけです