印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます 「今や差別は科学の領域だ」――映画『ガタカ』より NASA(アメリカ航空宇宙局)は2011年、科学的見地から判断した「現実的なSF映画」のベスト&ワーストを発表した。そのベスト1に選出されたのが『ガタカ』(監督:アンドリュー・ニコル、主演:イーサン・ホーク、1997年)である。 『ガタカ』の舞台は、遺伝子医療が発達した近未来。出生数秒後には血液の遺伝子解析によって推定寿命と死因が判明し、依存症や疾病に罹患する確率がはじき出されてしまう。そのため、人はできることなら「優生」の子どもを設けるべく、受精卵の段階で完璧な遺伝子操作を施し、各種疾患ほか薄毛や肥満、近眼といった「有害な要素」をすべて排除したうえで子を授かるのだ。その際、性別はもちろ