1946年に発表されたサルトルの『ユダヤ人問題についての考察』(邦訳は安堂信也訳『ユダヤ人』(岩波新書))で、サルトルはこう書いています。 われわれのうちでひとりとして全く責任のないもの、犯罪者でないものはいない。ナチスが流したユダヤ人の血は、われわれすべての頭にふりかかってくるのである。(p.168) 黒人作家のリチャード・ライトが最近、言っている。「合衆国には、黒人問題など存在しない。あるのは白人問題だ」と。これと同様に、われわれは、反ユダヤ主義は、ユダヤ人の問題ではない、われわれの問題であると言うことが出来よう。われわれは、その罪を負っているばかりでなく、その犠牲者でもあるのだから、それがなによりも、われわれに関係の深い事柄であることがわからないとすれば、余程の無理解と言われなければならない。(p.187) さて、先日、本屋で、平台においてあったある本の表紙が目にはいりました。そこに