モテな松永君と非モテなオレのクネクネ話 −この物語はフィクションであり、実在の人物とは無関係です− オレは非モテだ。 生まれついてのキモメンで、あまりのキモさに自分の顔を鏡でうつして吐いた事もあるくらいだ。 「目、合わさないでよ、腐るから」って言われたり「オレの近くに何秒いられるか」とかいう遊びが流行ったりもした。 そんなオレの前に颯爽と現れたのが、松永君だ。 成績優秀、スポーツ万能、生徒会長を何年もやってきておまけに誰にでも優しく家は金持ち、アイドルタレント並の端正な顔立ちと長い足。 非の打ち所のない、漫画の世界にしか住んでいないような人物だ。 彼の口癖は「渋澤栄一のような共栄の世界を!」であり、オレは松永君の心の広さ、優しさに強く惹かれていた。 オレから見て、松永君は輝くばかりの存在だったから、声を掛けるなんて事は出来なかった。 そう。黙って遠くから見ているだけで良かったんだ。 松永