1978年から86年までの約10年間、かろうじて「お茶の間」という言葉が残っていた昭和の終わり。それまでテレビが築いてきたエンタテインメントの集大成ともいえる番組が、視聴者の好奇心を揺さぶり続けてきました。正式タイトルは「水曜スペシャル 川口浩探検シリーズ」。しかし、なぜか誰もが「川口浩探検隊」と呼ぶ、約50本にものぼる、あの伝説のプログラムのことです。 映画スターとしてその名を広く知られた川口浩が、自ら隊長となって探検隊を結成。世界中の「謎」を追う姿を、壮大なナレーションとBGMを交えて紹介し、日本中にセンセーションを巻き起こしました。毎回放送のたびに20%台の高視聴率を獲得し、子供達は目を輝かし、テレビにクギ付けになって、川口隊長の活躍に胸を躍らせました。翌日木曜日の学校での会話は、探検隊の話題で必ず盛り上がったものです。 86年にシリーズが終了してからは、主役の川口浩がガンで亡くなっ