リシュリューを悪役一躍スター?にした、アレクサンドル・デュマの三銃士。もちろん、史実のリシュリューと切り離して語ることはできません。でも、ひとつ残念なのは、児童向け作品で描かれるリシュリューが、悪の部分を誇大表示させられていること。 そのせいか、わが国の世界の偉人シリーズには、ルイ14世編があってもリシュリュー編はほぼ皆無。かろうじて歴史人物辞典に、小さな肖像と共にその名が載っているだけ。フランスはもちろん、米国の児童書には、偉人シリーズにリシュリューがしっかり登場しています。 確かにリシュリューは三銃士ではダルタニャンの敵役でアンヌ王妃をいじめる悪役、でも、フランス史上では、5本の指に入る優れたお人(声を大にして言いたい!)なのです。リシュリューが存在しなかったら、三銃士という物語も生まれなかったでしょうし、フランスの国だってスペインの属国になり、ハプスブルク家の終焉とともにこの世か