以前、同僚の帰国子女の人に何気なく「セミって英語でなんて言うの?」と訊いたことがある。あれ、なんだっけなあと思い出せず、わざわざ辞書を引いて“Cicada”っていうらしいよ、と教えてくれた。 この同僚は物心つくときから社会人になるまでずっとアメリカやイギリスで暮らしていて、未だに日本語よりも英語で話すほうが得意だという人だ。それなのになぜ「セミ」という簡単そうな単語がわからないのかと訊くと、なんでもアメリカにもイギリスにも、セミはほとんどいないんだそうだ。セミっていうのは熱帯や亜熱帯の地域に生息する昆虫なので、日本より緯度の高い国では種類も少なく、小型のものしかいないとのこと。北米大陸には、俗に「周期ゼミ」とか「素数ゼミ」と呼ばれる、13年もしくは17年周期で大発生する種類のセミしかいないという。つまり今年大発生したら、次にセミを見るのは13年か17年後ということになり、しかも大発生するの