ニューヨークに旅行中の日本人の若者が、道行く人に得意げに「What time is it now?」と英語で聞きますが、誰も足を止める人さえいません。それを聞いていた彼の父親は、若者が「掘った芋いじるな!」と言っているのだと勘違いし、彼に加勢して大声で「掘った芋いじるな!」と叫んだところ、通行人が一斉に時計を見た・・・というジョークがあります。 自然科学を研究する分野に身を置く者にとって、言語学の研究は興味があります。自然科学では、根拠のない自由奔放な論議は話題にもなりませんが、言語学の分野ではこうしたユニークな発想による仮説やそれに対する反論も本や雑誌に公表されます。 日本語のルーツの論議として、明治時代、木村鷹太郎氏が「ギリシャ語系説」を出しました。彼は日本神話に出てくる神や地名の類似性こそ、その根拠だと主張しました。その後も朝鮮語説、レプチャ語説(レプチャ人はヒマラヤの一民族)