もちろん、これはあまりにサンプルの少ない統計ですから、仮名文字の使用頻度の順位はあてになりません。しかし、使用頻度が高そうな「シ」「ン」の符号が長い一方、短い符号が割り当てられている「ヘ」「ム」の使用頻度は高そうにないということはおわかりいただけるでしょう。 もしかしたら、和文モールス符号には、符号の順番を欧文モールス符号とほぼそろえることによって覚えやすくするという意図があったのかもしれません。また、「イ:伊藤(・−)」「ロ:路上歩行(・−・−)」「ハ:ハーモニカ(−・・・)」など、暗記のための語呂合わせがうまくできているから、これでよかったのだと言う人がいるかもしれません。しかし、仮名文字の使用頻度を考慮した決め方はあったはずで、そうすれば電報の送信時間はもっと短くなったはずです。また、そのように決めても暗記のための語呂合わせの言葉は作れたはずです。 和文モールス符号は、たとえ習得のた