会津大学准教授 寺薗淳也 今年の7月14日、アメリカの冥王星探査機「ニューホライズンズ」が、冥王星への最接近を果たしました。 かつて9つの惑星と呼ばれた天体のうち、唯一私たちが近づいて探査を行ったことがない天体に、はじめて人類の手が届いたのです。 その100年のほとんど、冥王星は望遠鏡を通しても、単なる点以上の存在ではありませんでした。 今回の快挙を成し遂げた探査機「ニューホライズンズ」は、いまから9年前の2006年1月20日に打ち上げられました。 打ち上げられたとき、冥王星の分類はまだ「惑星」でした。しかしその年の8月、国際天文学連合の会議で、冥王星は「惑星」から外され、新たに設けられた「準惑星」という枠組みに変更されました。 探査機は地球上のそのような騒ぎとは関係なく、史上最速の惑星探査機としてまっすぐに冥王星に向かいます。しかし、最速ではあっても、冥王星に到着するには9年半という歳月