今を遡ること10年ほど昔。沖縄の大学に入学してまもない頃に僕は「琉球列島の魚類」というテーマの講義を受けた。 そこでとても不思議な魚に出会った。「クララ」というナマズの一種である。
イラスト 小幡彩貴 タイのメコン川沿いの町ナコンパノムへ“世界最重量の淡水魚”と言われるメコンオオナマズを食べに行ったときの話の続き。 なかなか入荷しないと聞いていた大ナマズだが、偶然にも私がレストランを訪れたとき、漁師から届いたところだった。 店のおばさんは「今じゃこんなちっちゃいやつしか捕れないんだよね」と残念そうな顔をするが、いやいや、これだって相当でかい。体長一・二メートル、体重三十キロなのだから。これを七千五百バーツ(当時のレートで約二万二千五百円)で買ったとのこと。 店のシェフが鉈(なた)のような中国包丁で背中にツーッと切れ目を入れると、意外や意外、赤身の肉が現れた。ふつうのナマズは白身肉だ。根本的に種類がちがうのかもしれない。しかも、表皮と肉の間には黄色い脂身がびっしり。「こりゃ美味そうだ」と思わず涎が垂れてくる。 「どんな料理が食べたい?」と訊かれて、私は、“トムヤム”と“
イラスト 小幡彩貴 前回、タイの爆発ナマズ料理を紹介したが、実はもっと強烈なナマズ料理がある。というより、おそらくこれを超えるナマズ料理はないだろう。 なにしろ材料がちがう。メコン川の大ナマズなのだ。現地名はプラーブック、学名の響きもすごくて、パンガシアノドンギガス。世界で最も大きい淡水魚はアマゾンのピライーバというナマズらしいが、こちらは体重ではピライーバに勝るという。つまり、世界で最も重い淡水魚だ。 タイのメコン川沿いにある東北部のナコンパノムという町で食べられると聞いて、今から二十年ぐらい前だろうか、わざわざ寝台列車に乗って行った。ところが現地に着いてみると、市場に大ナマズは見当たらず、食堂やレストランでも「今はない」と言われた。 あるレストラン・バーで、レックさんという、六十歳ぐらいのオーナーが事情を詳しく説明してくれた。それによれば、もともと大ナマズの生息地はもっと上流部、タイの
イラスト 小幡彩貴 魚料理とサラダの中間であるタイの不思議な料理、名付けて「爆発ナマズ」の続き。 いよいよ謎の調理法を人気シェフのタムさんに見せていただく。 まず、ベトナム食材店から買ってきたというナマズを俎板(まないた)に載せて三枚に下ろす。ナマズは滑るので、俎板の上に濡らしたキッチンペーパーを置くのがミソ。上下の肉の部分を味つけせずに素揚げする。次に、残りの頭、骨、尾の部分を醤油とマギー(タイでよく使われるウスターソースっぽい調味料)で味つけし、同じように鍋で揚げる。 先に肉の部分を鍋から引き上げる。それを俎板に載せると、まるで二丁拳銃のように左右の手に包丁を持ち、のりのりのドラマーのように叩きまくって微塵にしてしまう。フライの魚を微塵というのがすでに面白い。さらに鉢で丁寧に搗(つ)き、ほとんどペースト状にしてからパン粉と混ぜる。 鍋でしっかり揚げていた頭、骨、尾を引き上げると、次がク
日本生活協同組合連合会(生協)は、一部地域の生協店舗において、日本なまず生産社が養殖する「近大発ナマズ」の取り扱いを開始すると発表した。近代発ナマズは、絶滅の危機に晒されているウナギの代替魚として、近畿大学が研究開発したもの。 【こちらも】日本水産、マダコの完全養殖に成功 ニホンウナギは、2014年に国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種に指定された。だが、現状では、ウナギの漁獲を制限する国際条約などは存在せず、実質的に、野放しの状態となっている。 漁獲高の減少に対抗するために稚魚を乱獲して市場に流通させるなど、事態は深刻の一途を極めている。 この状況に対し、警鐘を鳴らす識者もいる。例えば、ウナギの生態研究の専門家である日本大学生物資源科学部の塚本勝巳教授は、「拝金主義によるウナギの乱獲は控えなければならない」と主張する。 このような状況を受け、消費者の意識にも多少の変化が表れてい
来月25日の「土用のうしの日」に向けて、大手スーパーでは、価格の高いウナギの代わりとして、初めて、海外産のナマズのかば焼きも販売し、消費者の節約志向に応えようとしています。 この会社では、価格の高いウナギの代わりになる商品として、ことしはベトナムで養殖されたナマズのかば焼きを初めて販売します。 「パンガシウス」という種類のこのナマズは、肉厚の白身がかば焼きにあうということで、価格はおよそ160グラムで645円と、この会社が販売する国産のウナギのかば焼きの3分の1程度だということです。 また、近畿大学の研究グループが開発した国産の養殖ナマズや、豚肉のかば焼きなども販売することにしていて、消費者の節約志向に応えるとともに、子ども向けの販売も増やす狙いがあるものと見られます。 「イオンリテール」の栢野博子広報部長は「かば焼きを多くの人に楽しんでもらえるように、今後もさまざまな商品を開発していきた
ニホンウナギが2014年に絶滅危惧種に指定されて以降、価格が高止まりしているウナギ。ビタミンやミネラルを豊富に含むため、古くから日本人のスタミナ食として親しまれてきたウナギだが、近年はスーパーマーケットでも100~200グラムの蒲焼きが2000~3000円にまで高騰。うな丼も、松竹梅の3段階のうち最低ランクの梅でさえ、庶民には手が出せない高級品となってしまっている。 そんななか、この高すぎるウナギの代用品として近畿大学が開発したのが「ウナギ味のナマズ」だ。近大といえば、02年にクロマグロの完全養殖に成功し、「近大マグロ」をヒットさせた実績もある。今年7月30日には、東京・銀座と大阪の直営料理店で「ウナギ味のナマズ」の限定販売も実施した。 しかし、海外はともかく日本では、まだナマズに食材としてのなじみがないのも事実。「泥臭い」といったネガティブなメージもあり、ウナギのように脂が乗っているとも
大都市・香港。 およそ、秘境や大自然とは縁遠いと思われるあの街に、大量の巨大魚が生息していると聞いた。 しかも、とびきり汚いドブに。さらにさらに、その魚は元々香港に分布していたものではなく、アフリカ大陸の出身であるという。 …一から十までわけがわからない。わからなすぎて、かえって興味深い。釣り竿片手に、視察へ行ってみた。
絶滅寸前のうなぎに代わり、味が非常によく似た『なまず』を近畿大学とうなぎの養殖場が共同開発していることが、昨年から話題になっていた。 そんな「うなぎ味のなまず」を、7月22日から全国のイオン381店舗で発売したという。 これはうなぎ好きとして、試してみなければ! さっそく買って本物のうなぎと食べ比べてみたぞ。 画像をもっと見る ■これは『さんま』だ… 見た目にかんしては、完全に同じというワケではないものの、かなり似ている。値段の差イオンで売っている鹿児島県産のうな重が1380円、なまず丼が880円ということで、なまずのほうがややリーズナブルなぐらいだ。 まずは本物のうなぎからいただく。身はふっくらしており、非常に美味しい。イオンがかなりうなぎにこだわっていることが分かる美味しさだ。 お次はなまずを試食。こ、これはッ……!! さ、さんまの味じゃねえかーーーーーーーーーーーーーッ!!! 正直「
絶滅が危ぶまれるニホンウナギの代わりとして近畿大学が研究開発したウナギ味のナマズ。昨年、25億円をかけて販売を手掛ける会社も設立された。今年に入り格安航空会社のピーチ・アビエーションの機内食に採用されたり、大手流通のイオンでは「土用の丑の日」の目玉商品となった。 作家の山下柚実氏が、近大発ナマズの開発ストーリーと巧みなビジネス手法に迫った。 * * * 新たな研究や技術を使ってビジネスを生み出し世界で勝負するアベノミクス「第3の矢」の柱の一つに「ベンチャーの加速」が掲げられている。大学も例外ではない。今、大学発ベンチャー企業の創出に拍車がかかっている。育成ファンドの規模は1年で2.6倍にも膨らみ、1000億円に達する勢いだ(日本経済新聞2016年1月11日)。 では、成果はどうだろうか? 例えばミドリムシの大量培養技術で食糧・エネルギー問題に挑戦する(株)ユーグレナは東大発ベンチャーの雄。
大谷翔平のドジャース移籍が決定!“10年総額約1015億円”のメジャー史上最高超大型契約でWS7度制覇の常勝軍団へ エンゼルスからFA(フリーエージェント)となっていた大谷翔平(29)が自身のSNSでロサンゼルス・ドジャ…
「土用の丑(うし)の日」の30日、町中にはウナギを焼く香ばしい香りが漂った。「ウナギ風味のナマズ」も今年からスーパーの店頭に並ぶなど、高嶺(たかね)の花となったウナギの“代替品”をめぐる商戦も活発だ。 近大マグロに続き近畿大学(大阪府)が手がけた「ウナギ風味のナマズ」。この日、東京・銀座と大阪・梅田にある直営料理店で「近大発ナマズ重」(2200円)が販売され、梅田では限定50食が40分ほどで完売した。 大手スーパーのイオン各店舗にも「近大発なまずの蒲焼(かばやき)」(半身1枚税込み1598円)が並んだ。23、24日に先行販売しており、30日と合わせた3日間で約5千食が販売される。 23日、イオンでかば焼きを買った大阪市住之江区の警備会社経営西村謙一さん(61)は食後、「おいしいとは思うけど、食感やにおい、小骨がウナギとは違う。改良の余地がある」。 近大世界経済研究所の有路(ありじ)昌彦教授
7月30日は「土用の丑の日」。来たるべきその日に向け、「ウナギ味のナマズ」なるものが登場しました。完全養殖に成功した“近大マグロ”で知られる近畿大学が、ウナギに対抗(?)するべく開発。イオンで販売がスタートしています。 販売に先駆けて実施された試食会に参加し、気になる味を確かめてきました。 そもそもなぜ「ウナギ味のナマズ」を開発? 近畿大学で「ウナギ味のナマズ」の開発がスタートしたのは、今から6年前。ウナギの供給量が世界的に減少してきたことを受けて、「ウナギの代わりを探してほしい」と養鰻業者や蒲焼業者から相談されたことがきっかけだったと語るのは、近畿大学世界経済研究所の有路昌彦教授。 「稚魚の生産が比較的容易で、蒲焼にも適しているものをリサーチしました。あらゆる国産淡水魚を取り寄せ蒲焼にしたところ、資源も豊富な『マナマズ』が改良次第でウナギに近づけることができるのでは、ということで研究をス
受験者数3年連続日本一、今、最も勢いのあるのが近畿大学である。マグロで名を上げた同大がこの夏、新たな勝負に出る。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏がレポートする。 * * * クロマグロの完全養殖に成功し「近大マグロ」を大ヒットさせた近畿大学がこの夏、満を持して世に放つのが、「ウナギ味の近大発ナマズ」。絶滅が心配され価格も急騰中のニホンウナギに替わる、「夢の蒲焼き」の提案だ。 「脂の乗りをさらに良くして、国産のウナギと遜色のないレベルまで引き上げました」と、独自のエサや育成技術を開発した近大世界経済研究所の有路昌彦教授は言う。 「味」だけではない。「世界初」のチャレンジに踏み出した。 スーパーなどの量販店で「近大発ナマズの蒲焼」の販売がスタートする。大手スーパー・イオンでは7月23日から順次、一部店舗で計7000食ほどの近大発ナマズの蒲焼きを提供するという。他のスーパーや百貨店を含めて、
近畿大農学部(奈良市)の学生食堂で1日、同学部で開発された「ウナギ味のナマズ」を使った丼300食が限定販売された。 11月に開催される学部祭のプレイベント。学内での販売は初めてで、食堂前には学生たちの行列ができた。 絶滅が危惧されるウナギに代わる食材として、有路昌彦教授が6年かけて飼育方法を開発。材料費などに1食2000円ほどかかるというが、この日は学生向けに、かば焼き3、4切れを乗せて200円(税込み)で提供。ご飯にも同学部の技術を生かした栄養価の高い米を使った。 3年の学生(20)は「味も食感もウナギそのもの。想像していたよりずっとおいしい」。プレイベントを企画した3年生(20)は「有名になった『近大マグロ』に続くブランドとして、学内で開発された優れた技術を広めていきたい」と話していた。
格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションは18日、近畿大学が開発したウナギの食感に似たナマズを6月1日から始まる夏メニューの機内食として提供すると発表した。 商品名は「近大発うなぎ味のナマズごはん」で、値段は1350円。白飯に錦糸卵を敷き、特製のたれを付けてかば焼きにしたナマズをのせた。本物のウナギを使用すれば、2千円を超えるという。 関西-那覇や成田-福岡など飛行時間が90分以上の国内線と、一部を除く国際線で販売する。販売路線全体で、1日当たり最大30食程度用意する。全体で700食限定のため、なくなり次第、販売を終了する。 ウナギは絶滅が危ぶまれ、価格が高騰している。ウナギ味のナマズは近畿大の有路昌彦教授が2009年に研究を始め、味を近づけるために水質や餌を工夫した。機内食では鹿児島県で養殖したナマズを使用する。
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