金正恩の拙速な経済改革 経済改革の必要性について金正恩と張成沢の間に不一致はなかったが、その進め方を巡って対立があったようだ。経済面で成果を挙げることに焦る金正恩は、2013年に入り経済特区を全国規模に拡大し国営企業に裁量権を認める独立採算制を導入するなど急進的な改革を志向した。だが、関係筋は「これに張成沢が反対した」としている。 外貨を調達できない庶民の苦境を打開するため、当局は2013年後半に労働賃金を市場価格に近づける措置を講じた。韓国市民団体が発行する「デイリーNK」(2013年11月8日)は、「2013年9~10月に、茂山鉱山など重工業企業の一部で賃金が100倍になった」と報じている。 だが、当局はインフレの加速を避けるため、10万ウオンが現金で、支払い残金分は現物で支給するとともに、支給される現金で市場サービスを利用しないという条件を付けたとされる。 しかしこのように使い勝手の