かつては試験は難関だが、合格すれば高額な報酬を得られると人気だった公認会計士や税理士、弁護士といった「士業」が「総崩れ」している。 たとえば、公認会計士試験は2006年に社会人など多様な人材の受験を促すため、大幅に簡素化したものの、資格を得るために必要な、肝心の就職先が見つからない。「旗振り役」だった政府もさすがに掲げた合格者目標などを見直さざるを得なくなっている。 「士業」同士で仕事を奪い合う 日本弁護士連合会によると、弁護士の人数は現在3万2088人(2012年3月末)。公認会計士は3万2985人(13年3月末、日本公認会計士協会調べ)。 税理士は7万3725人(同、日本税理士会連合会調べ)となっている。 ちなみに、司法書士は2万0670人(12年4月1日時点)。行政書士は4万2177人(同)いる。 行政書士を除き、どの「士業」もこの10年は増加傾向にある。 そうしたなか、景気低迷の影
政府に環太平洋連携協定(TPP)からの撤退を求める弁護士らが29日、「TPPに反対する弁護士ネットワーク」を発足し、政府に要望書を提出しました。TPP参加は国の主権をおびやかし、憲法違反だと指摘しています。 ネットワークは共同代表に宇都宮健児弁護士(日弁連前会長)、岩月浩二弁護士、井沢正之弁護士の3氏、事務局長に中野和子弁護士(日弁連消費者問題対策委員会副会長)が就任。現在、弁護士318人が賛同します。 同日、東京都内で開いた会見で、宇都宮氏は、TPPに盛り込まれようとしているISD(企業と国家の紛争処理)条項について「国民を守る国内法や規制が、一企業や投資家の金もうけのために問題にされて改廃されかねない」と指摘。TPPの危険性は農業の関税撤廃にとどまらず、国民生活のあらゆる分野に及ぶと強調しました。 岩月氏は、「TPP参加は憲法問題だと知ってほしい」と提起。ISD条項の違憲性を、▽司法主
食品の原産国を表示する制度『COOL』の大切さを 公開ヒアリングで米政府に訴える米消費者団体のジーン・ハロランさん(岡田章裕撮影) 「食の安全性」を巡る国による制度の違いは、時には通商紛争に発展する。 米国とカナダ、メキシコとの間でも、食肉などの生産地を表示する制度を巡る紛争が4年以上にわたり続いている。どの国でも、食の安全に対する関心は高く、紛争への答えを見いだすのも容易ではない。 米国と欧州連合(EU)の自由貿易協定について、米政府の代表が、国民から意見を募る「公開ヒアリング」が5月30日に開かれた。そこでは、米消費者団体のジーン・ハロランさんが、「COOL」と称されている制度の大切さを訴えていた。カナダ、メキシコとの紛争を、EUとの間にまで持ち込まないで欲しいという願いだ。 米国民は9割支持という「COOL」 「COOL」は、原産国表示を意味する「Country Of Origin
「TPPで日本の水産業にどういう影響がありますか?」と質問される機会が多いので、私見を書いておきます。結論から言うと、「日本に安い輸入魚が殺到して、魚の値段が下がって、国内の水産業が衰退する」というような事態は起こりません。その理由は以下の通りです。 1)水産物の関税はすでに低い 現在の水産の関税は3.5%~7%程度です(http://www.customs.go.jp/tariff/2013_4/data/i201304j_03.htm)。日本の水産物はもともと輸出産業だったので、外から魚が入ってくることは想定しておらず、関税が低く設定されています。何百%という関税で守られている農業とは、そもそも現状が違うのです。 日本が外国から魚を買うときに問題になるのは、関税よりもむしろ為替です。円・ドルのレートは2007年に1USDが120円だったのが、2012年には1USDが80円まで円高になり
執筆者 森田 満樹 九州大学農学部卒業後、食品会社研究所、業界誌、民間調査会社等を経て、現在はフリーの消費生活コンサルタント、ライター。 食の安全・考 森田 満樹 2013年4月26日 金曜日 キーワード:添加物 食品表示 食文化 日本のTPP(環太平洋経済連携協定)協定交渉が進む中で、「TPP参加によって食の安全が脅かされる」と懸念する報道をよく見かけます。特に最近、日米両政府の事前協議(2013年4月12日発表)の内容を受けて、食品添加物の基準が緩和されるといった記事が目立つようになりました。 たとえば4月13日の日経新聞では、「米側が日本の食品添加物の審査手続きを早めるように求めた。日本が認める添加物は約800種類で米国は3000種類ある。日本で規制緩和が進めば米国の食品メーカーの輸出増につながるとみている」と報道しています。 また、4月20日の朝日新聞は「米国で使える添加物は約16
<「関税撤廃の例外」はデタラメ> 安倍政権が7月の交渉参加を目指すTPPで、またひとつ信じられないデタラメが噴出している。 安倍は、日米首脳会談でオバマと交わした「聖域なき関税撤廃を前提とせず」を理由に、例外分野をもうけると言って反対派をねじ伏せているが、これが大ウソだった。そもそも、オバマには安倍との約束を守る義理どころか、約束を交わす権限さえなかったのだ。 日本ではほとんど知られていないが、いま米国で議論になっているのが「大統領貿易促進権限」(TPA)なる法律だ。米政権が外国政府と貿易交渉を進める際、個々の合意内容について議会の承認を経ずに済む“白紙委任状”みたいな法律だが、オバマにはこの権限がなく、安倍との約束が“カラ手形”だったことが問題視されているのだ。元外務官僚で評論家の天木直人氏が言う。 「英国から独立し、今もモンロー主義の伝統が残る米国は、基本的には保護主義の国です
選挙の争点となっているTPP(環太平洋経済連携協定)。経済界を中心に交渉参加し、推進すべきという主張が多い。ところが、それは必ずしも日本の国益にかなうものではなく、単なる通商政策と違い日本の国の形を変えるような非常に大きな影響を与えるものだという声もある。それにもかかわらず、そのことが議論されていないという。TPP推進に疑問を呈する金子勝・慶應義塾大学経済学部教授に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男) TPPは国の根幹を揺るがす 大きな変化を伴うものだ ――TPPが選挙の争点になっているが、ここまでの選挙戦において、各党のTPPに対する姿勢をどのように見ていますか。 かねこ・まさる 1952年生まれ、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得修了。専門は財政学、地方財政論、制度経済学。著書に『新・反グローバリズム』(岩波書店)『失われた30年 逆転への最後の提言』
28日、日中韓FTAとTPPという日本の二股がけは困難だと中国メディアが指摘した。写真は山東省済南市にあるトヨタのディーラー。 2013年3月26日、日中韓自由貿易協定(FTA)交渉の初会合が韓国の首都ソウルで行われた。日中韓は年内に3回会合を行う予定で、第2回は中国、第3回は日本で行われる。28日付で国際金融報が伝えた。 【その他の写真】 日中韓FTA交渉の背後にはTPPの影が長年常につきまとってきた。特に2009年に米国が参加したことでTPPの概念、範囲、戦略に本質的な変化が生じた。 ■貿易の「二股作戦」に出た日本 TPPは米国の提唱する枠組みであるうえ、中国はその交渉に参加していない。このため経済的に中国を牽制する意図を持つこの協定は日本を歓迎すると同時に、各方面の敏感な神経を逆なでしている。日本の安倍晋三首相は米国と歩調を合わせてTPPを対中圧力の道具にする考えがあることを少し
乳製品を主要輸出品とするニュージーランド(NZ)では、日本の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加について、乳製品貿易の完全自由化が阻害されるとの懸念が出ている。TPP交渉妥結が遅れるのではといった声も聞かれる。特定農産物への関税維持を主張する日本の態度が問題となっている。 ニュージーランド(NZ)の酪農産業協会(DCANZ)ベイリー議長は、日本の参加は大きな成果だが、そのことで今年10月に予定の基本合意の妥結が遅れないことを願うと述べた。 NZにとって日本は乳製品の重要な輸出先で、12年には5億3,600万米ドルの乳製品が日本に輸出されている。同議長は、日本の乳製品は高い関税により最も保護されていると指摘。もし日本がTPP参加で同製品の関税を撤廃するなら、NZの酪農家だけでなく、日本の消費者も歓迎するだろうとコメントした。 ■NZがTPP離脱も また今月、シンガポールで行われた
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (前回から読む) 一揆の発生 すでに紹介したように、山城国一揆は、国内からの畠山政長と畠山義就の軍隊の退去を求めるものであり、一四八五年に発生した。この事件で注目されるのは、たんに他国の軍隊を国外に追放することで終わったのではなく、八年にわたって共和政治的な体制のもとで、完全な自治を実現したことにある。 この一揆は、一二月一一日に、集会を開いて「一味同心」[1]し、両陣に国外退去を求め、それを「問答」という形で、両軍と話し合った。これが神の前の平等と結束を約束した一揆の集まりであり、「神水集会」として強力な組織であったからこそ、両軍に撤兵を実現させる力があったのである。実際には賠償金のようなものを支払うことで、交渉が成立したが、退去しない場合
先日、私が幹事を務めている私的な勉強会で、與那覇潤氏を招いて『中国化する日本』の合評を行った。1000年の歴史を“蛮勇”をふるって300ページで語った本であるだけに、専門家が細かく見ていけば色々とツッコミ所はある。だが、いちいち揚げ足取りをしても生産的ではないので、個別的な問題には立ち入らず、なるべく本書の全体を議論するよう心がけた合評会であった。 しかし(当日は自粛したものの)日本中世史を専攻する身として、どうしても違和感をぬぐえなかったのが、源平合戦の評価である。與那覇氏は本書の中で、市場競争中心の「グローバリズム」を推進する西国の平氏政権と農業重視の守旧派勢力たる坂東武者が争い、勝利した後者が「反グローバル化政権」たる鎌倉幕府を築いたと説いている(45・46頁)。この辺りの記述が、一時期「第三の開国」と呼ばれたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を意識したものであることは疑いない。す
安倍首相がTPP交渉への参加を正式表明。交渉によっては日本で盛んな同人誌などにも大きな影響が及ぶ可能性がある。 安倍晋三首相は3月15日、環太平洋連携協定(TPP)の交渉に参加することを正式表明した。焦点となる農業など関連分野は多岐にわたり、著作権など知的財産分野にも大きな影響を及ぼす可能性がある。 TPPで米国が提案しているとされる知財関連の主な条項は、(1)著作権保護期間の20年延長、(2)著作権侵害の非親告罪化、(3)著作権侵害に対する法定賠償金の導入、(4)いわゆる「3ストライクルール」を含む不正流通防止関連事項――など。 著作権侵害の非親告罪化は主に映画の海賊版などを摘発しやすくするためのものとみられるが、権利者が告訴しなくても罪に問うことが可能になるため、日本で盛んな同人誌などの2次創作が萎縮することになる可能性もある。(詳細記事:TPP問題は農業・医療だけじゃない 知財・著作
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