東日本大震災では多くの書店も被害を受けた。日本出版取次協会による4月下旬段階でのまとめによると、104店が全壊・半壊、53店が浸水・水濡れ被害、本が落下したりした商品汚破損まで含めると被災書店は16都道府県787店に達するという。なかには津波によって店主や店員が亡くなった店もあった。 また、ガソリンや電力不足による物流の停滞や、生産工場の被災による用紙不足などによって、3月は雑誌や書籍の刊行が遅れるなどといった事態も発生し、日本の出版産業が戦後経験したことのない、大きくて、しかも予想外の影響を被った。 そのような中で、本の売れ行きがどうなっているかというと、これが決して悪くはないという。出版科学研究所の発表によると、4月は書籍、雑誌とも全体的にはマイナスとなったが、こと被災地を含む東日本地域では前年同月を上回っており、むしろ西日本の方で年初以来の不振が続いているというのだ。 震災直後