伏見稲荷大社の境内を歩いていると、ふと目にとまる外観。建築に関わっている者であれば必ずや脚を止めてしまうことでしょう。私もその外観に一瞬で心を引かれてしまいました。参道をそれ、ふらふらと吸い寄せられるように建物の方向へ。 細長い板を互い違いに積上げたような外観。プレキャストコンクリートを使っているのでしょう。積上げられた板は薄く、とても華奢な印象を受けます。板同士の隙間からは空が見えています。境内の中にあって高さもボリュームもある建物です。外観をルーバー状にすることで存在感を少しでも希薄にしようという意図なのでしょうか。建物ボリュームを一つとせず、構成をいくつもに分けている所をみると、その予想は間違いでないように思えます。これだけのボリュームにそのまま外壁材を貼ったら、きっと圧迫感が生まれたでしょう。とても効果的な処理に思えます。 横ルーバーは建物の外観に影を生み、彫りの深い表情を生み出し