肌を刺すような強い日差しの中、JR東海・浜松工場の職員ら200人が検修庫前に勢ぞろいした。8月5日17時20分。この日、2013年4月から進めてきた東海道新幹線「N700系」改造工事の完遂式が行われた。 テープカットとくす玉割りによるセレモニーに続き、「出発進行!」の合図とともに80編成目となる最後の改造車両が検修庫を出て、ゆっくりと走り始めた。その瞬間、真新しい車両の周りに一筋のさわやかな風が吹いた。 改造工事の目的とは 今回の改造工事は、2013年に登場した最新鋭車両「N700A」の機能の一部を取り込み、N700系をN700A並みの性能に近づけることを目標としている。 N700Aの最高時速はN700系より15キロメートル速い時速285キロ。「15キロ程度のスピードアップは技術的にそう大変ではない。むしろ難しいのは高速に対応したブレーキ力だ」と、JR東海の技術者は語る。 そのため、N70