盛岡の書店発の覆面本「文庫X」が全国で大ヒットするなか、紫波町図書館では本の帯だけを見せて利用者に貸し出す企画が人気だ。担当者は「出版社の本にかける思いが詰まった帯だけを出すことで、日頃選ぶ本とは違う出会いになれば」と期待を込める。 「シークレット・ブック オビで伝える。」と名付けた企画コーナーに並ぶのは、赤い紙袋に入った本約140冊。小説のほか、伝記や植物の研究書などジャンルはさまざま。紙袋にはそれぞれの本の帯が貼られている。赤と緑のクリスマスカラーを使って展示したのは、利用者に自分への「プレゼント」にしてもらいたいとの思いからだ。 好評だった昨年末に続き2回目の企画。開館準備から携わる司書の手塚美希さん(41)が考案した。以前は新刊期間の2カ月が過ぎれば帯を捨てていたため、もったいないと感じていた。昨年は「開けるのが楽しみ」「自分では選ばない本だったが、読んでみたら楽しかった」との声が