「ひなた文庫」は熊本県南阿蘇村にある小さな本屋だ。中尾友治さんと竹下恵美さんの二人によって運営されている。「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」という日本一名前の長い、南阿蘇鉄道高森線の無人駅舎を店舗として使っていて、営業時間は週末のみ。平日は別の仕事をしているそうだ。 名前を聞いたことない人がほとんどだと思うが、ぼくも9月3日に下北沢の本屋B&Bで行われた「伽鹿舎とひなた文庫 九州で本を売るということ」というイベントで、その存在を初めて知った。九州でしか売らない本を出版している伽鹿舎という出版社とひなた文庫が、「九州で本を売るということ」について語るイベントだったのだが、出会ってまず驚いたのがその若さだ。二人とも20代らしい。本屋をはじめたい若者がジワジワと増えているのだろうか。 「出版業界の未来は厳しいけれど本の未来は明るい」と内沼晋太郎氏が『本の逆襲』に書いていたけれど、本当にそうなのか