日本中で石川県金沢市の一部にだけ発生しているスジアカクマゼミを採取して、地元の方々と食べてしまおうという観察会に参加してきた。 なぜか金沢にだけ生息しているスジアカクマゼミ アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシなど、日本には様々なセミが生息しているが、日本中で石川県金沢市の一部だけ(大場町に多いらしい)で確認されているという超レアなセミをご存じだろうか。私はまったく知らなかったのだが、その名を「スジアカクマゼミ」というらしい。 そんなスジアカクマゼミの成虫と幼虫を、石川県ふれあい昆虫館の福富宏和さん指導のもとに採取して、さらに昆虫料理研究会のムシモアゼルギリコさん指導で調理して試食するという、一挙両得&一石二鳥、あるいは一長一短&一喜一憂の『外来種スジアカクマゼミを採って食べる「セミ会」in 金沢』がおこなわれた。 アミとムシカゴを持って金沢までやってきました。 右がセミ採取指導の石川
今も旧東海道沿いや海辺に松の木がたくさん残っている西湘エリア。その松の葉でサイダーを作ってみました。 松林は天然酵母の貯蔵庫なのだ。 ワラの中に茹でた大豆を入れると、ワラについた納豆菌が繁殖して、ワラつと納豆ができあがります。それならばと、ワラの中に炊きたての白飯だけを入れて、お米そのものを納豆ごはん化してしまったこともあります。納豆をかけていないのに何となく納豆っぽい匂いのするごはんは家族に大不評でしたが、ぼくは感動しながら完食しました。あのリアル納豆ごはんは、これまでの実験人生における最高傑作だと、今でも思っています。 今回作ってみた松葉サイダーも、このワラつと納豆や日本酒、味噌などに通じる発酵系。ケミカルな材料は一切使っていないのに、天然の菌や酵母のパワーだけで、素材が全然違ったものに変わります。松葉サイダーの場合は、松葉に水と砂糖を加えるだけで、松葉に付いている天然酵母が砂糖を食べ
日本における漁業問題を考えるにあたって、規制無き早獲り競争による乱獲から魚を守ろうとしている人たちのモチベーションの源を理解するべく、己の舌と心を鍛えてきた。要する寿司屋でうまいマグロの食べ比べをしてきたという話である。 日本の漁業問題を深く知るためには、マグロの味を知るべきだ 今までにこのサイト上で、何度か日本における漁業問題について取り上げさせていただいた。 日本の漁業と水産資源を守るために孤軍奮闘してきた大学の先生に話を伺いに行ったり(これ)、カッパを着て漁の現場へと出てみたり(富山とか佐渡とか)、農林水産庁でおこなわれた会議を傍聴会に参加してみたり(これ)。 そんな活動の一環として、「一般社団法人 海の幸を未来に残す会」の情報交換会へとニフティの清水さんに誘われて参加したのだが、その際に「懇親会に来てみませんか?」と誘われた。それもただの懇親会ではなく、様々なマグロを寿司にして食べ
人口の増加に伴う食料問題に対する一つのアプローチとして、「オルタナフード」を推進するプロジェクトが誕生したそうだ。ええと、オルタナフードってなんですか? オルタナティブフードとはなにか 「食の選択肢を広げることで未来を変えるAlternative Food Party(オルタナティブフードパーティ)」(以下AFP)とやらを立ち上げたのは、以前ダチョウの件でインタビューをさせていただいた、ダチョウに似ていることで評判の、ダチョウ肉の普及に尽力中の加藤さん(こちらの記事:ダチョウは日本の食を変えるのか?ダチョウ肉の試食会をしてみた)。 6/25にAFPの説明・試食会がおこなわれるということで、試食会というくらいだから、加藤さんセレクトのうまいダチョウ肉が食べられるのかなと軽い気持ち100%、予備知識ゼロでやってきた次第である。 「オルタナ」という言葉は音楽の話などでたまに聞くけれど(「オルタ
2011年に日本で初めて個別漁獲割当制度(IQ)を本格導入した新潟県佐渡市のホッコクアカエビ漁の船に乗り、その漁がどんなものなのかを見てくるとともに、IQを導入した感想を漁師さんから聞いてきた。 IQ制度を実施している佐渡市赤泊地区のエビカゴ漁 日本における深刻な漁業問題が少しずつ表面化し、農林水産省において「資源管理のあり方検討会」という会議が開かれている中、海外で漁業を儲かる商売に転換させた資源管理制度の一つである個別漁獲割当制度(IQ)を日本で初めて導入した、新潟県佐渡市赤泊地区のえびかご漁の船へとやってきた。新潟県えび籠漁業協会長の中川さんが経営する中川漁業の船に乗せていただくのである。 赤泊の漁師がえびかご漁で狙うのは、主にホッコクアカエビという、関東だとアマエビと呼ばれているおなじみのあのエビである。新潟ではその姿が赤唐辛子(南蛮)に似ていることから、南蛮エビと呼ばれている。も
「とにかく食べればわかるから」と知人は言うのである。台湾麺線。聞いたことのない食べ物だが、一度食べるとクセになるんだそうだ。わかった。とにかく食べてみよう。 台北や高雄など、場所によって味付けが違う 向かったのは、東京メトロ銀座線の虎ノ門駅。ここから徒歩1分、オフィス街の真ん中に目指す店がある。 店頭にはすでに数名のお客さん ここは、今年3月にオープンしたばかり。しかも、日本初の台湾麺線専門店なのだ。さっそく、お店の人にご挨拶を。 「いらっしゃいませ~」 何となくのイメージで、太った弁髪のおじさんみたいな方が出てくるかと思ったら、店主はお若いレディーだった。彼女の名前は林千笑(はやし・ちえみ)さん。10年ほど前に旅行先の台湾で麺線を食べた際、心を奪われたそうだ。 「それ以来、台湾には数え切れないぐらい行って食べてるんですけど、日本でも誰かお店を出さないかなあとずっと思ってて。でも、10年待
面積の90%が山林という、平成17年に士別市と合併した朝日町地区で、『朝日の山野草を食す』という公民館講座が開催されるというので、どんな風に下ごしらえをするのか見に行ってきました。 地元の山は、宝の山 ソウルフード、笹寿司を去年ごちそうになった朝日町地区の人たちは、自然と山に親しんで暮らしてきました。山菜を山で採取し味わうことも地域の大切な文化。人口が少なくなる中、この文化を次の世代に引き継ごうと「知恵の蔵運営委員会」の人たちが中心になって開催されたこの講座。試食用に準備されたのは、なんと17種類の山野草を使用した料理です! 書かないと調理している方もわからなくなるほどの種類の多さ!! この表を見て思わず、「改めて見ると、山にはこんなに食べられるものがあるんだねえ~。すごいねえ!」という声が上がります。地元の人たちにとっても、毎年食べる山野草の定番はフキ、ウド、アイヌネギといったところなの
マンションや戸建住宅が造られ、今や残り少なくなった東京・多摩丘陵の里山ですが、多摩市には農家が市に寄付することで残った2.5ヘクタールの里山「なな山」があります。ここでは毎月第2・第4日曜、市民が10年以上も保全活動を継続。筆者も参加してきました。 目の前は団地!ホトトギスが鳴く 「なな山」は府中市内からクルマで約15分、多摩市和田にある雑木林です。すぐ隣には百草団地が迫るこの場所は、農家が所有する約1.1ヘクタールの里山を2002年に市へ寄付したのをきっかけに04年春、付近の住民が「なな山緑地の会」を発足。以後、会が市から委託を受ける形で下草刈りや倒木の片付け、伐採、植樹などの活動を続けています。 なな山の広場。後ろには百草(もぐさ)団地が 5月25日(日)朝、会のメンバー約20人がなな山の広場に集まりました。当日は維持作業に加えて里山観察会も行います。筆者は初参加なので観察会に同行。
江戸前の天麩羅における、初夏の超高級レア食材といえば、なんといってもギンポである。なかなか食べる機会のない魚だが、狙って釣ろうとすれば、簡単に釣れたりする。 ギンポを釣るのは簡単です 今回狙うギンポという魚は、ミニチュアサイズのウツボみたいな姿をしていて、たとえ釣れても逃がしてしまう人が多い魚である。 確かに天麩羅で食べておいしいというのを知らないと、わざわざ持って帰って食べようとは思わない魚かもしれない。私はその逃がそうとするギンポをもらってでも食べたいのだが。 そんな知る人ぞ知る存在のギンポは、海岸に大きめの岩が転がっているような場所が大好きで、岩と岩の隙間に入り込んで生活をしている。 こんな防波堤が狙い目です。 ギンポの釣るための方法はいろいろあると思うのだが、私が好きな釣り方は、潮が引いている時間帯に岩場に乗りこみ、短い竿をギンポの潜んでいそうな場所に突っ込むというシンプルなもの
江戸川の河口から船で潮干狩りにいき、江戸前のアサリをとってきた。東京湾の底力、すごい! 船で行く潮干狩りという名の冒険旅行 初夏の海レジャーといえば、縄文人も大好きな歴史と伝統の潮干狩りである。この時期に大潮の干潮を狙って干潟にいけば、どこでもアサリがウハウハなのだ。わはははは。 ……というのは何十年も前の話で、干潟の埋め立てが進んだ東京湾では、天然のアサリが獲れるようなイカした干潟はなかなかなく(なくはないですが)、どこかから運んできたアサリを撒いている有料の潮干狩り場がほとんどとなっている。 とはいえ、東京湾にアサリがまったくいなくなったのかというとそんなことはなく、徒歩ではアクセスできないような場所にある沖の干潟には、アサリがザクザクと眠っているらしいのである。 ということで、普段は魚釣りでお世話になっている伊藤遊船さんという船宿にいってきた。江戸川放水路河口に位置するこのあたりの船
ずっと買うものと思い込んでいたツナ缶、ポリ袋調理で作ってみると簡単で、なにより美味しかったのでした。好きな形・味にできるうえに、缶のゴミが出ないというのも嬉しい。ぜひお試しください。 マグロのコンフィ=ツナ! 以前に「地球のココロ」でポリ袋を使った調理法をご紹介したことがあります。私がこの方法を知った最初のきっかけは、レストランのカウンターキッチンで、シェフから「ポリ袋調理だと少ない油でコンフィが作れる」と聞いたことでした。 その後、ふと「ツナってマグロのコンフィなのかも!?」と気になって調べてみると、その通りだったのです。これはやってみるしかない! できればマグロのアラが安く手に入るときに作りたかったのですが、ひとまず普通のお刺身用のサクを買ってみました。マグロの種類がいくつかあったのですが、たまたま値段で選んだビンチョウマグロが、ツナ缶としても高級素材として使われているとわかりました。
水産庁でおこなわれた「第1回 資源管理のあり方検討会」を傍聴してきた。 「第1回 資源管理のあり方検討会」を傍聴してみよう 平成26年3月24日に水産庁において、水産庁職員および大学の教授・准教授、各県の水産担当職員、漁業協同組合の代表などから構成される資源管理のあり方検討会委員(名簿はこちら)による、「第1回 資源管理のあり方検討会」が行われた。 日本における危機的な漁業資源の話については、以前このサイトで三重大学生物資源学部の勝川俊雄准教授に伺ったことがあるが(漁業という日本の問題を知ろう 勝川俊雄さんインタビュー)、その勝川さんが今回の委員に入っているようだ。 農林水産省お魚大使のさかなクンがこのメンバーに入っていないのが個人的に残念なのだが、この会は事前に申請をすれば傍聴可能ということなので、どのような議論がされているのかを聞きに行ってみることにした。 霞が関における会議の傍聴なん
東日本大震災から丸3年。被災地への個人的なサポートとして行われた、宮城県で作られた特別な缶詰の、小さな試食販売会に参加してきた。 被災地をサポートするための小さな試食販売会 三年前の3月11日に起きた東日本大震災によって、食べ物がなにもなくなってしまった宮城県石巻市で、倉庫から流れ出した缶詰を被災者が食べて空腹を満たしたことから「命の缶詰」と呼ばれたのが、木の屋石巻水産の缶詰。これは義援金のお礼などにも使われたそうなので、その存在を知っている人も多いと思う。 倉庫も工場も津波によって流されてしまった木の屋石巻水産だったが、昨年ようやく新工場ができあがり、そこで作られた缶詰の試食販売会が、個人的なつながりでおこなわれるというので、私も参加させていただいた。 会場は日本橋経済新聞茶論。日本経済新聞じゃないよ。 この会を主催した日本橋経済新聞の編集長である仁藤さんの話では、被災地支援には「レスキ
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