ビデオゲームを粗雑に遊んでいると、ジャンルに関わらず頻繁に登場するモチーフがある。そのモチーフはとても象徴的で、こうも頻繁に登場するのにはただの偶然ではなく、もしかしたらゲームメカニクスやデザインの上での理由があってのものかもしれない。 そうそれは塔そして灯台だ。ビデオゲームを遊んでいれば気が付けばプレイヤーは地平線の向こうにある塔を見上げること、塔をかけあがることも少なくないだろう。プレイヤーの目の前に現れる塔は見方によってはまるでゲームマスター、あるいは作品世界のシステムや制度の象徴みたいだ。 塔の存在は子供のころからのビデオゲーム体験から続く。有名なところでは「ファイナルファンタジー3」のクリスタルタワー。あれは確か最初の浮遊大陸を飛空艇で飛び出し、水没した世界の中でただ一つ海上から不気味に顔を出す。作品の中盤以降から鮮やかに不気味に世界に君臨し続け、そこが旅の最終的な目的地であるこ