2013年12月から北米は比較的寒い状態が続いており、2014年1月の第一週は北米の大部分が特に強い寒波に襲われた。その前にはエジプトで降雪があるなど、北半球の寒冷化も危惧されているが、この様な極端な現象は基本的に一時的な現象であり、頻繁に起こらないかぎり気候の変化・中長期変動とは無関係と言ってよい。実際、北米は寒冷化していた1970年代にも温暖化していた1990年代にも今回の強烈な寒波と同程度の寒波を経験しており、いくつかの力学的・熱力学的要因と条件が重なって起こるこの様な現象は、中長期的な気温変動の傾向とは無関係である事を示唆している。 以下の一連の図に見られる様に、寒波の南進は極渦と呼ばれる対流圏上層から成層圏中層にかけての中高緯度の大規模な渦状の大気の流れの南北方向の強い乱れを伴っており、一般的な言葉で言うならば、偏西風の大きな蛇行を伴った現象である。つまり、北米を襲った寒波は、そ