Photo: K.yamashita トランプ大統領の特技は、事実に反する発言をすることだ。地球温暖化はアメリカの製造業の競争力を弱めるために中国のつくった観念だとか、同時多発テロ事件で世界貿易センタービルが崩れ落ちたとき、ハドソン川対岸で何千もの人々が歓声を上げたとか、あるいは大統領選挙でクリントン候補の票数が多いのは三百万を超える不法移民がクリントン候補に投票したからだとか、どれも空想としか形容のしようがない。 発言が誤りだと指摘されても撤回せず、誤りを指摘するニューヨーク・タイムズやCNNなどの報道がフェイクニュース、いんちきニュースだと言い放つ。メディアによる情報操作の犠牲というわけだ。確かに、全体としてみればアメリカのマスメディアがトランプ氏の批判に傾いてきたことは事実だろう。ハーバード大学のグループによれば、大統領就任後百日間、トランプ氏に批判的な報道が80%にのぼったという(