ただ、ここに岩波書店の就業規則改悪問題を取り上げるのは、問題が岩波書店の労働問題並びに日本の言論の自由に対する悪影響に留まらず在日朝鮮人の言論活動への弾圧としての側面を有しているからである。今般の岩波書店の就業規則改悪はこの間の金光翔氏の言論活動への封殺を意図したものと考えられる。上記の記事でも言及されているように、金氏はこの間、論文「<佐藤優現象>批判」(『インパクション』第160号、2007年11月)を皮切りに、右翼・国家主義者であり在日朝鮮人への弾圧を煽る佐藤優を他でもない岩波書店が積極的に起用することを批判し続けてきた。極めて重要な批判であり、私も多くを学んできた。 だがこの結果、金氏は佐藤優や『週刊新潮』等の右派メディアからのみならず社内においても攻撃にさらされるに至った(末尾の共同声明及び金氏のブログを参照されたい)。岩波書店の「著者および関係取引先」への「誹謗」「中傷」を「諭