http://d.hatena.ne.jp/matsuiism/20110216/p1 matsuiismさんが、このエントリーで高澤秀次『文学者たちの大逆事件と韓国併合』を引用しつつ漱石の「満韓ところどころ」にも触れている。私も前回のエントリーの注でこの紀行文に言及したのだけれど、高澤氏によれば、 そもそもこの旅自体、「満鉄(一九〇六年設立)総裁の地位にあった中村是公(後藤新平の後継者)の慫慂(しょうよう)で実現した旅」であり、「日本の国民作家」を「満鉄をはじめ、アジアに進出する大日本帝国の各出先機関」で歓待する、つまりこの国家的事業に「国民作家」を動員し、そのお墨付きを得ようという性格のものだった。 ということだったらしい。これは知らなかった。高澤氏の本に興味を覚えたので、いずれ機会があれば読んでみたい。 「満韓ところどころ」は、たしか岩波・新潮・角川の各文庫版のいずれにも収録されてお