次世代パワー半導体であるSiCデバイスの、自動車業界への採用が始まっている。電気自動車(EV)用急速充電器の電力変換効率を高めるために、既に実機に搭載されているのだ。 次世代パワー半導体として長らく開発が進められてきたSiC(シリコンカーバイド)デバイス。“次世代”と言う以上、量産製品への搭載がほとんど進んでいないように感じられるが、実際にはそうではない。各種電源装置に組み込まれているDC-DCコンバータやインバータの必須部品の1つであるダイオードについては、SiCベースのショットキーバリアダイオード(SiC-SBD)が採用されつつあるのだ。 「TECHNO-FRONTIER 2012」(2012年7月11~13日、東京ビッグサイト)の技術シンポジウムのSiCデバイスに関するセッションに登壇した、ロームのSiCパワーデバイス製造部で副部長を務める伊野和英氏は、「現在、SiC-SBDは、デー