【9月18日 MODE PRESS】雑誌のスタンスはそれぞれあっても、レベルの高さを決めるのは編集長の資質と意欲だ。とりわけ求められるのは、ぎりぎりまで妥協しない姿勢だろう。顔で笑って心で泣くこともあるし、時にはあえて心を鬼にして怒鳴る必要もある。 ■一途に戦う編集長の姿 そんな編集長のあるべき姿の見本例の一つが田口さんだ。「一途に闘っていることが多いけれど、私ってそんなに強い人間じゃないのに」。相手は社外だったり、社内上層部だったり、部員を厳しく叱ることもある。だがそれは、ファッションを愛し、「ハイファッション」を愛しているからだ。 少さいころから本好きで、内向的な性格。舞台や映画にも興味があった。ハイファッションの写真を見て「なんてきれいなんだろう」と心を奪われた。文化服装学院に進み、70年に文化出版局入社。最初は「so-enアメリカ版」に配属された。そのころにコムデギャルソンが設立さ