城の復元・修復が、全国各地で行われているなか、「江戸時代当時の姿をどこまで忠実に復元するか」「エレベーターを設置すべきか」などをめぐって、名古屋城が揉めている。2018年に修復工事が着工されて以来、ずっと天守閣は立ち入り禁止となっている。 【映像】国宝に指定された1930年代当時の名古屋城 カギを握るのは、名古屋市の河村たかし市長だ。これまでも「関係者全員切腹。これが認められなかったら」「テーマパークと違う」といった、注目されるような発言を繰り返してきた。 長年この問題を取材している、中日新聞記者で歴史ライターの水野誠志朗氏は「これは観光の問題だ」と指摘する。「城の修復という“文化的事業“と、“観光事業”の切り分けができていないのが最大の問題だ」。 話は2011年にさかのぼる。名古屋城の“木造天守復元”をマニフェストとして名古屋市長選に挑んだ河村氏が当選し、現存する資料を基に、江戸時代に設