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ブックマーク / www.enpitu.ne.jp (37)

  • 「死にたいという気持ちをもっと詳しく言ってください」 - 活字中毒R。

    『言葉の誕生を科学する』(小川洋子・岡ノ谷一夫共著/河出書房新社)より。 (「言葉の誕生」というテーマについての、作家の小川洋子さんと動物学者の岡ノ谷一夫さんの対談をまとめたより) 【小川洋子:先日、テレビ統合失調症の人のリハビリについてやっていたのですが、言葉の問題の面からたいへん意味深いものを感じました。患者さんが、いつも「死にたい」と言って苦しんでいるので、専門家が、「死にたいという気持ちをもっと詳しく言ってください」とアドバイスする。するとその人はすごく悩んで一生懸命考えて、「うーん、じゃあさびしい」とか、「人とつながりたい」とか、少しずつ語数を増やしていくんです。それがリハビリになっていくんですね。ある程度回復した段階で過去の自分を振り返ると、「死にたい」と言っていたときの自分は他人に対して「魔球」を投げていた、と言うようになるんです。もっと緩やかな直球を投げればいいのに、わ

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    hatayasan 2011/10/01
    「言葉が態度や情を制限してしまうんだと思うんです。たぶん「うざい」「むかつく」という言葉だってもっとゆっくりいろいろ解きほぐしてみると、相手に対して違う見方ができるかもしれない。」
  • 鉄道マニアの屈折した「男らしさ」 - 活字中毒R。

    『麗しき男性誌』(斎藤美奈子著・文春文庫)より。 (『鉄道ジャーナル』を紹介した項の一部です) 【鉄道マニアに関する研究はあまり見あたらないのだが、ひとつ紹介しておきたい文献がある。社会学者の鵜飼正樹氏による論考「鉄道マニアの考現学」(西川祐子・萩野美穂子編『共同研究 男性論』所収)である。 鵜飼氏によれば、鉄道マニアは圧倒的に男性が多い(ついでにいえば風采の上がらない男が多い)。あらゆる分野に女性が進出している昨今、なぜこの分野だけは男性偏重なのか。若い女性に質問すると「進出したいとも思わない」。 ジェンダー論の見地から氏は鉄道マニアの屈折した「男らしさ」を分析するのだ。男らしさを特徴づける性質に照らすと、鉄道マニアはかなり「男らしい」趣味だという。人よりよい写真を撮りたい等の情熱(優越志向)、コレクション熱(所有志向)、仕事や家庭も犠牲にしかねぬ我の強さ(権力志向)。これらはあらゆる「

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    hatayasan 2011/06/10
    「鉄道マニアの屈折した「男らしさ」」という視点で鉄道マニアを語った鵜飼正樹氏の論考は新鮮だったな。
  • よしもとばななさんの「ある居酒屋での不快なできごと」 - 活字中毒R。

    人生の旅をゆく』(よしもとばなな著・幻冬舎文庫)より。 【この間東京で居酒屋に行ったとき、もちろんビールやおつまみをたくさん注文したあとで、友だちがヨーロッパみやげのデザートワインを開けよう、と言い出した。その子は一時帰国していたが、もう当分の間外国に住むことが決定していて、その日は彼女の送別会もかねていたのだった。 それで、お店の人にこっそりとグラスをわけてくれる? と相談したら、気のいいバイトの女の子がビールグラスを余分に出してくれた。コルク用の栓抜きはないということだったので、近所にある閉店後の友だちの店から借りてきた。 それであまりおおっぴらに飲んではいけないから、こそこそと開けて小さく乾杯をして、一のワインを七人でちょっとずつ味見していたわけだ。 ちなみにお客さんは私たちしかいなかったし、閉店まであと二時間という感じであった。 するとまず、厨房でバイトの女の子が激しく叱られて

  • 活字中毒R。:「ネットをやっている人間はバカになる」

    オタク論2!』(唐沢俊一・岡田斗司夫共著・創出版)より。 (「オタク」について、唐沢さんと岡田さんが雑誌『創』に連載されていた対談を単行にまとめたものです。雑誌に掲載されたのは2008年2月・3月号で、当時岡田さんは「いいめもダイエット問題」によって批判されていました) 「いいめもダイエット問題」については、こちら(「岡田斗司夫さん、ダイエットサイト閉鎖問題で釈明」(MSN産経ニュース)を御参照ください。 【岡田斗司夫:どうしてこういうこと(「いいめもダイエット問題」についてのネット上への岡田さんへの批判)になるのか、考えてみたんです。自分がここまで叩かれなかったら、こんなに真剣に考えなかったでしょうね。その意味ではいい機会でした。わかったことはね、彼らは「反証責任は岡田にある」と思っているんですよ。つまり、「疑いがかけられた」とか「今叩かれだした」とすると、「言われた人は反論するはず

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    hatayasan 2009/06/06
    「ブログって、「世界を変えるためのツール」じゃなくて、単に「よくある趣味のひとつ」だよね。僕もそれを認めるのは悲しいけれども。」梅田望夫氏のインタビュー記事を思い出す。
  • 活字中毒R。―村上春樹「ネット空間にはびこる正論原理主義を怖いと思う」

    『文藝春秋』2009年4月号の村上春樹さんへの独占インタビュー「僕はなぜエルサレムに行ったのか」より。 (2009年2月15日にイスラエルでエルサレム賞を受賞され、「壁と卵」のスピーチをされた村上春樹さんへの独占インタビューへの一部です。引用部はすべて村上さんの発言) 【ネット上では、僕が英語で行ったスピーチを、いろんな人が自分なりの日語に訳してくれたようです。翻訳という作業を通じて、みんな僕の伝えたかったことを引き取って考えてくれたのは、嬉しいことでした。 一方で、ネット空間にはびこる正論原理主義を怖いと思うのは、ひとつには僕が1960年代の学生運動を知っているからです。おおまかに言えば、純粋な理屈を強い言葉で言い立て、大上段に論理を振りかざす人間が技術的に勝ち残り、自分の言葉で誠実に語ろうとする人々が、日和見主義と糾弾されて排除されていった。その結果学生運動はどんどん痩せ細って教条的

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    hatayasan 2009/03/14
    「 ネット上というのは、「言葉だけの世界」だけに、なおさら、そういう「言葉の正しさ比べ」になりやすいんですよね。本当に「大事なこと」は、「そう簡単に言葉にはできないこと」にあるのかもしれないのに。」
  • 活字中毒R。 - 『ジャンプ放送局』が終了した「本当の理由」

    ジャンプ放送局 帰ってきたジャンプ放送局!!の巻』 (SHUEISHA JUMP REMIX) より。 (連載当時のスタッフが『ジャンプ放送局』を振り返る対談記事『13年ぶりのジャンプ放送局』の一部です。参加者はさくまあきらさん、横山智佐さん、土居孝幸さん、榎55歳(榎一夫)さんの4名です。文中のJBSは「Jump Broadcasting Station=ジャンプ放送局」の略) 【――ハガキは毎週どのくらい来てたんですか? さくまあきら:最初の半年は苦労したね。でもそこからは1年で3万通に達して、そこから4万通くらいいって。JBSクエストの時は10万通越えたからね。ほんと視力落ちたもん。それと手にインクがついちゃう。 榎55歳:そうなのねん。指紋がなくなっちゃうよって。 さくま:えのクンがね、「悪いから手伝いますよ」って言って、200枚で根を上げてる(笑)。 榎:「お先なのねん

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    hatayasan 2009/01/04
    懐かしいな。あとで読み直す。
  • 活字中毒R。 「アフィリエイトで手っ取り早く月30万円を稼ぐ方法を教えます」

    『ブログ論壇の誕生』(佐々木俊尚著・文春新書)より。 【アフィリエイトをめぐる現状を、少し説明しておこう。 アフィリエイトが最初に登場したのは割合と古く、1996年にまでさかのぼる。発明者はオンライン書店のアマゾンだ。以下のようなエピソードがある。 ――アマゾンの創設者であるジェフ・ベゾス氏がある日、パーティでひとりの女性を紹介された。彼女は、ベゾス氏に言った。 「わたしは離婚に関するホームページを作っていて、かなり多くアクセス数を稼いでいるの。このサイト上で商品を売ったら儲かると思う?」 ベゾス氏は答えた。「そりゃ儲かるかもしれないけれど、商品を売るためには倉庫も必要だし、決済の仕組みも作らなければいけないからたいへんだと思うね」 すると女性は、冗談交じりにこう返した。「じゃあ私のサイトでアマゾンのを売るのはどう?」 この会話がヒントとなって、ベゾス氏は個人サイトでを紹介してもらい、

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    hatayasan 2008/12/11
    「個人ブロガーは小金のために言いたいことが言えなくなったり、スパムに悩まされる一方で、企業はノーリスクの宣伝媒体を手に入れている……」
  • 活字中毒R。 - 本物の科学者は「現代の科学では説明できない」とは言わない。

    『「科学的」って何だ!』(松井孝典・南伸坊共著/ちくまプリマー新書)より。 (「科学」についての松井孝典さん(惑星科学者・東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)と南伸坊さん(イラストレーター)の対談をまとめた新書の一部です) 【南伸坊:「科学にも限界がある」ということが、昔から言われていますよね。「限界がある」というアナウンスのほうが大きくなって、「現代の科学では解明できない」ってオカルト派得意のフレーズがあります。「そうだよ、科学では解明できない不思議なことってあるんだ」っていう。だからスピリチュアルとかがはやるのは、人々の科学者への対抗心みたいな心理があって、「科学ではわからない世界」という土俵にもっていきたいんです。 松井孝典:それはどうですかね。南さんがおっしゃったこと自体の中に矛盾がありますよ。 南:え? そうですか。 松井:素人の人は残念ながら絶対にその境界に行けないんです。

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    hatayasan 2008/11/18
    「どんな場合でも「ここまではわかっているけど、ここから先はわかりません」という言い方をすべきなのに、もし「いっさい科学的にわからない」という科学者がいたとしたら、その人の言葉が足りないんです。」
  • 活字中毒R。

    『逃亡くそたわけ』(絲山秋子著・講談社文庫)より。 (精神科の病院から「逃亡」し、九州を車で南下していた「あたし」と同行者の「なごやん」の宮崎市でのやりとり) 【「久々にネクタイをした連中を見たな」 そう言ってなごやんは少しだけ表情を曇らせた。 「出張も多いんだろうね。空港近いし」 「飛行機やったら東京もすぐやけんね」 なごやんは浮かぬ顔でフォークとナイフを揃えて皿の上に置いて、言いにくそうに言った。 「東京から福岡までの距離ってさあ、福岡から東京までの距離の倍以上あるんだぜ。わかる?」 「どういうこと? 一緒やろ」 「遠く感じるってこと」 「そうね」 「俺さ、前につきあっていた彼女に『九州なんかにまわされてかわいそう』って言われたんだ。田舎だからなんだって。ちょっとショックだったよ」 「福岡やったら都会やのに。田舎ちうたら……」 その先は言わずもがなだった。あたし達は多分、同時に昨日通っ

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    hatayasan 2008/08/11
    地方から東京へは割引切符のラインアップが充実しているけど、東京から安く上げようと思ったら一工夫しなきゃいけないことが多いのと似たようなもの?
  • 活字中毒R。「十人のうち九人まで汚職している環境で一人だけ清潔なら、どうなると思う?」

    『北京大学てなもんや留学記』(谷崎光著・文春文庫)より。 (中国の名門中の名門・北京大学での留学体験記の一部です。中国人学生たちの「賄賂」についての考えかた) 【学内だけではなく、学校周辺の小さな店に行くのも楽しい。こういう店には中国人学生に連れていってもらった。 北大(この文章での「北大」=「北京大学」です)西門近くの手羽焼き屋さんは週末の夜は真夜中までやっていて、炭火がぱちぱちとはぜ、そこに上からスパイスをふりかけると、パッと赤く燃えあがる。夏は校内の外れに屋台も並ぶ。試験が終わると飲んだくれるのは、どこの国の学生も変わらない。 官僚になる人も多いこの学校では、卒業後の切実な問題は「汚職にかかわるか否か」。 「どうするんだ、公務員試験受ける?」 「だけどなったら非貪不可(フエイタンブク・汚職しないわけにはいかない――「非〜不可」の構文が一発で記憶できるいい例文です)だしなぁ。危険だ」

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    hatayasan 2008/07/28
    中国の公務員の様子。見出しを見て大分の教育界隈の話かと思った。cf.http://suntetu.iza.ne.jp/blog/entry/656771
  • 活字中毒R。 『徹子の部屋』が、「一切編集をしない」3つの理由

    『聞き上手は一日にしてならず』(永江朗著・新潮文庫)より。 (ライター・永江朗さんが、各界の「プロの聞き手」10人に「聞き方の秘訣」についてインタビューしたから。黒柳徹子さんの回の一部です) 【永江朗:『徹子の部屋』は世界でも珍しい長寿番組になりましたね。ひとりで司会するトーク番組としては世界最長だとか。長く続くからには、それだけ画面にはあらわれない苦労も多いと思います。収録の前には、どの程度、スタッフとミーティングをするんですか。 黒柳徹子:月曜、火曜で6録っています。当は5でいいわけですけど、少しずつ余裕を見て。6録れば、1ヶ月で4のストックができます。何があるかわかりませんからね。ユニセフの仕事海外に出かけるため、夏休みとして収録を2週お休みします。芝居の舞台稽古があって休むこともあります。毎週、金曜日に打ち合わせをするのですが、いまディレクターが14人ぐらいいまして、

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    hatayasan 2008/05/26
    「マスコミやメディアをよく知っている人たちにとっては、「編集で自分の『問題発言』をカットできること」のメリットよりも、「編集によって、自分の『本心』が歪めて伝えられてしまうこと」のほうが「怖い」」
  • 活字中毒R。 - 「コピーライターとしての資質を一瞬で見抜く」ための、たった一つの質問

    『質問力』(齋藤孝著・ちくま文庫)より。 (「コピーライターの資質を一瞬で見抜く質問」という項の一部です) 【谷川俊太郎さんの質問もすばらしいが、もうひとつダ・カーポ別冊『投稿生活』(2002年6月1日号)という雑誌に掲載されたコピーライターの仲畑貴志さんのインタビューに、秀逸な質問の例があったのでここに紹介しておこう。 仲畑さんの事務所でコピーライターを募集した時の質問だ。仲畑さんの質問をご紹介する前に、一瞬自分で考えてみて下さい。 「もし自分が経営者でコピーライターの社員を雇う場合、あなたは入社試験でどんな質問をするでしょうか?」 質問自体はコピーライターの専門家でなくても何とか考え出せるものだ。だがよい答は難しい。 仲畑さんの質問は「あなたがいいと思うコピーを10個書いてください」というものである。仲畑さんによれば、この答を聞いただけでだいたい能力がわかるというのである。もしあげた1

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    hatayasan 2008/02/26
    「自分の中の情報にすばやく的確にアクセスでき、必要なものを必要なだけ取り出せる能力というのは、どんな仕事にも必要なのでしょう」
  • 猫の夜更かし

    お昼をべている最中、同僚のひとりが「見て、見て」と小さな紙片をみなに配りはじめた。カラフルな自作の名刺である。 パソコンで作ったらしくまめだなあと感心していたら、携帯番号の下の「http://」ではじまる一行が目に留まった。 「へええ、ブログやってるん?」 「そうやねん、まだはじめたばっかりやねんけど。みんな来てな〜」 最近こういうことがちょくちょくある。インターネットに関心があるようにはまったく見えなかった友人知人が次々とブログやmixiをはじめ、URLを知らせてくるのだ。 私はそんなふうに教えてもらったサイトはブックマークに追加してときどき訪問するようにしているのであるが、一番の仲良しの同僚はロッカールームでもらった名刺をバッグにしまいながらぼそっと言った。 「こんなこと言ったら申し訳ないけどさ、他人の私生活なんか興味ないねんよな……。友達でも何人かブログやってる子おって、見に来てと

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    hatayasan 2007/11/25
    「「読み手のために書く」ということではない。「自分用ではなく他人に読んでもらう文章なのだ、ということを念頭に置いて書く」」読み流す日記と惹きつけられる日記の違いはなんだろう。
  • 活字中毒R。

    『のはなし』(伊集院光著・宝島社)より。 (「『好きな理由』の話」というエッセイの一部です) 【2年ほど前になるか、自分の担当しているラジオの深夜放送に立川談志家元をお呼びした時のこと。もともと古典落語の道をドロップアウトして今の世界に逃げ込んできた僕としては、談志家元は特別な存在で、何より6年間の修行時代にピリオドを打った理由の一つが「名人立川談志」の落語だった。 仕事疲れか、それが素の状態なのか、不機嫌そうにスタジオ入りした家元。僕は「機嫌を損ねて帰ってしまわないうちに…」とばかりその話をした。 「僕は落語家になって6年目のある日、若き日の談志師匠のやった『ひなつば(古典落語の演目の一つ。短く軽い話で特に若手の落語家がやる話)』のテープを聞いてショックを受けたんです。『芝浜』や『死神(ともに真打がおおとりで披露するクラスの演目)』ならいざ知らず、その時自分がやっている落語と、同じ年代の

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    hatayasan 2007/11/23
    「長年続けてきた何かを捨てるときには、自分自身に対する「言い訳」が必要なのではないか」
  • 活字中毒R。

    『知らない人はバカを見る! これが商売のウラ法則』(ライフ・エキスパート編・河出書房新社)より。 (「グルメ記事のウラ法則〜『当は不味い店』の解読法」という項の一部です。「当に美味しい店」を書くのにはあまり困らない、という話に続けて) 【いっぽう、東京・下北沢の居酒屋とか中央線沿線のラーメン店とかの特集を組むときは、おのずと店の数が必要になる。その場合、グルメ・ライターは、いちいち味を確かめて店を選定してはいられない。 そういうグルメ特集でライターたちを悩ませるのは、明らかに不味い店に当たってしまったときだ。はっきり不味いと書けば営業妨害になりかねないし、ウソを書けば雑誌の信用を損なうことになる。その板ばさみになったグルメ・ライターたちが駆使する表現には、暗号めいたウラ法則がある。 「味の格闘技」(量がやたらに多いだけで、ちっとも美味くない) 「冒険にあふれた味」(アイデア料理が大ハズ

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    hatayasan 2007/10/01
    グルメ記事に込められたライターの「暗号」を読み解く。「個性的」ってのは思えばとても便利なことば。
  • 活字中毒R。

    『今、何してる?』(角田光代著・朝日文庫)より。 (「錯覚 Illusion」というタイトルのエッセイの一部です) 【私のどこが好き? と恋人なり夫なりにたずねたとき、どう答えられるのがうれしいか、というテーマで友達と話したことがある。どう、というのはつまり、内面をほめられたほうがうれしいか、それとも外見か、ということである。 驚いたことに、外見をほめられたほうがうれしいにきまっている、と大半の女友達が答えた。顔が好み、脚が好き、目がぐっとくる、肩のラインがたまらない、だから好きだ、と続けてほしいらしい。なかには、尻のかたちがいいと今の恋人が言ってくれて、そのことに心底感動した、という人までいて、これはもう、驚きを通りこして不可解である。 私は絶対的に内面派である。ココロがきれいだの性質がやさしいだのと言われたいのである。しかし私は内面をほめられたことがただの一度もない。手がいい、頭のかた

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    hatayasan 2007/09/25
    「ずっとお互いの美点だけしか見えない幸運なカップルだってこの世には存在するのでしょうが、長く一緒にいればいるほど、「長所と短所は紙一重なのだ」と感じることは多くなる」
  • 活字中毒R。

    『なぜ日人は劣化したか』(香山リカ著・講談社現代新書)より。 【2006年も後半のことだったと思う。 「生き方論」などで定評のある雑誌から、原稿の依頼があった。「ストレス解消の秘訣」といったテーマで1200字という短い分量だったので引き受けることにし、締め切り日に原稿をメールした。構成は、「ストレスとは何か」という定義に続けて「ストレスが生まれる理由」を簡単に説明し、それに続けて「解消のために気をつけること」を3つほど書く、というごく常識的なもののつもりだった。 ところが、すぐに編集者から「書き直し」を依頼する返信が来た。 「いただいた原稿に問題がある、というわけではありませんが、こういった構成だと全体を最初から順に読まなければならず、途中で読者が飽きてしまう可能性があります。前半の定義や解説はすべて省き、解消法の部分だけを箇条書きにして、ちょっとした説明とともに書いてください。なお、解

    hatayasan
    hatayasan 2007/09/14
    「僕自身だって、ネットをはじめた直後に比べたら、確実に「長文を最後まで読む気力」は確実に落ちてしまっています。どんなに内容に興味がある文章でも、「長い」だけで、読む意欲が失せてしまうんですよね」
  • 活字中毒R。 - 友人にカネを借りるときの「最高の理由」

    『異人伝〜中島らものやり口』(中島らも著・講談社文庫)より。 (巻末に収録されている、中島らもさんと伊集院静さんの「特別対談『アル中 vs ギャンブラー』」の一部です) 【中島らも:(はずれ車券の束を見て)これで幾ら? 伊集院静:これで何百万ぐらいあるのかな。 中島:へぇー。 伊集院:これだけはずれると気持ちいいもんですよ(笑)。「小説現代」ぐらいになると3日間徹夜してね、原稿料が8万円くるんです。そうするとね、これぐらい(はずれ車券が5、6枚)。これぐらいのために文学とはと言われたらたまらんでしょ。でも、このぐらいで終わるんですよ。気持ちいいもんでしょ。 好きなのはね、中村鴈治郎の孫に浩太郎、智太郎というのがいるんだけど、おじいちゃんがいつも大晦日になるとダンボールからはずれ馬券を出して一人で焚き火してるんだって(笑)。よくあれだけ買ったもんだっていうぐらい、ブツブツ言いながら焚き火して

    hatayasan
    hatayasan 2007/09/14
    「「合理性」よりも、「優越感をくすぐられる」ほうが、人をやさしくする」
  • 活字中毒R。「僕が人の話を聞く時に、絶対にやらないようにしていることが一つあります」

    『経験を盗め〜文化を楽しむ編』(糸井重里著・中公文庫)より。 (「おしゃべり革命を起こそう」というテーマの糸井重里さんと御厨貴さん(オーラル・ヒストリー(口述記録)の研究者・東京大学教授)、阿川佐和子さんの鼎談の一部です) 【御厨貴:僕が10年来経験を重ねてみてわかったのは、聞く時には「自然体」が一番いいということです。こっちが「聞くぞ」と意気込んでると、向こうもなんとなく「答えないぞ!」みたいに構えますから。 阿川佐和子:力を抜く? 御厨:最初から自分は何でも知っているという姿勢で臨むのではなく、知らない、よくわからない、だから聞きたいというスタンスですね。 阿川:ニコニコなさる? 御厨:いえいえ、それはあまりやると向こうが嫌がるからしない。現場に行って、先に来ちゃったから、部屋でボケッと座っているような感じです。 糸井重里:あっ、その「ボケッと座ってる」という言い方、すでに好感持っちゃ

    hatayasan
    hatayasan 2007/08/29
    「相手のペースに自分を委ねる――それができれば、誰でもが聞き上手になれると僕も思いますね」
  • 31才 オンナの本音 - 毒吐き注意。

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    hatayasan
    hatayasan 2007/04/05
    「WEBという誰でも読める場所で日記を公開しておきながら、読む人を選ぶなんて無理。わかっててWEB日記を書いておきながら、いざそういう読者が目に止まると狂ったように中傷して攻撃する。バカじゃないの?」