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ブックマーク / georgebest1969.typepad.jp (13)

  • 売り言葉に買い言葉?アンチ近藤誠の「抗がん剤は効く」に対する違和感

    paravola
    paravola 2022/08/15
    (2014年)RCT的に言えば抗がん剤は「効く」。しかしそれは余命をある程度ひっぱるだけの、「効く」だ/ぼくらが重症感染症を治療しても、数ヶ月ICUで「ひっぱる」ことがある。これをぼくらは「負け試合」と考える
  • 製薬メーカーとの付き合い方

    製薬メーカーとの付き合い方 外科系、内科系問わず、医療において薬はなくてはならないものです。そのことは、現代医学における「薬」がなかった時代を思い出していただければ、すぐに理解できます。 現代医学における「薬」とは、抗生物質とビタミン剤がその嚆矢であるとぼくは思います。両者は20世紀に誕生しました。秦佐八郎とパウル・エールリッヒが梅毒治療薬サルバルサンを開発し、アレクサンダー・フレミングがペニシリンを発見し、鈴木梅太郎が(脚気治療薬の)ビタミンB1を発見する時代です。要するに、薬理学の黎明期です。Goodman & Gilmanの第1版が出版されたのが1941年です。この時代こそが「薬」時代の幕開けなのです。それ以前は敗血症や脚気や壊血病などでたくさんの人が死んでいたのです。「薬」以前と以後においては、人間の健康のあり方は激変しました。 もちろん、それ以前にも薬はありました。現代の漢方薬の

    paravola
    paravola 2020/11/22
    (ブログで適当なことを吹いてる医者とか)「背中のファスナーをおろしたら中からMRが出てきそうだ」/そういう、MRが医者のキグルミを着ているかのような講演は珍しくありません
  • ロックダウンはするしないの二元論ではない。「する際の条件」こそが重要である。

    東京はロックダウンすべきだ、とすでに述べた。これに対して「ロックダウンすると経済的損失が大きすぎる」という意見がある。 それは事実で、ロックダウンには多大な副作用が存在する。経済活動の巨大な縮小であり、これは経済リスクのみならず、人々の健康リスクにもなりうる。シンプルに言えば、金がなくなればべるものがなくなるわけで、飯をわねば、人は生きていけない。 それでも。私は東京エリアのロックダウンを主張したい。政治家・官僚の方々にはぜひ「ロックダウンで人が飢え」たりしないよう、皆様の職能を最大限発揮していただきたい。感染対策的意思決定はプロに任せて。 繰り返すが、私はロックダウンという行政措置、政治的判断のプロではない。よって、どのようなロックダウンが現実的に可能で、かつ最適なのかは知らない。ロックダウンの原則は以前書いたように対象地域内外の人の出入りを止めることと、対象地域内で人が「家にいる」

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    paravola 2020/05/27
    (4.5)ロックダウンはするしないの二元論ではない
  • 慶応のPCR6%の意味

    慶応大学病院が無症状の患者67人に新型コロナウイルスSARS-CoV-2のPCRを行い、4名が陽性であったと発表した。6%である。 これだとnが少ないのでシンプルな二項検定を行うと、95%信頼区間は 1.7%-14.6%となる。東京都民の1395万人に当てはめると 237,150人-2,036,700人となる。今朝(4月23日)見た、PCRで陽性になった感染者の累計が3,439人だから、実際の感染者はPCRで把握されている患者の69-592倍いる、ということになる(追記。これは観察期間が違うので不適切な分数でした、すみません。実際はもっと大きな数になります。慶応の検査実施期間が報道では分からなかったので適切な計算は今できませんが、要するに「分かってるよりずっとずっとたくさん」ということだ)。 PCRの感度は30-70%くらいと考えられるから、楽観的シナリオだと真の感染者は4/0.7=約6人

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    paravola 2020/04/24
    要するに「分かってるよりずっとずっとたくさん」ということだ
  • COVIDと対峙するために日本社会が変わるべきこと

    おはようございます。走ってきました。週5回は朝走るのですが、このときreflectionをします。昨日見たもの、書いたもの、語り合ったこと。Reflectionの時間は非常に大事でただただ実務だけやってるとすぐにアイデアが枯渇します。あと、休養、運動、栄養、そして笑いはとても大事です。 さて、日お伝えしたいことは結論だけ言えば以下のことです。多くの専門家も同じようなことを言っていますから特にオリジナリティはありません。 1.風邪をひいたり体調を崩したら家で休む。社会もそれを許容する。 2.しんどくなったらマスクを付けて速やかに病院を受診する。しんどくなければ必須ではない。しんどさの基準は個人差があるので個々の判断で。 3.自宅に家族がいれば、病気の人はマスクを付けて、神経質に何かに触るたびに手指消毒をする。何度でも。 4.仕事や学業を効率化する。人が集まらねばならない会議は最小化してメー

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    paravola 2020/02/16
    「発症から受診までの時間が長くなりやすい」傾向をこのウイルスはもっているのです。よって、重症発症の多いSARSよりも本ウイルスは広がりやすい。日本の社会でこそ広がりやすいウイルスなのかもしれない
  • エボラ疑いを速報したのは間違いで、太田国交相も間違っているという話

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    paravola 2019/09/19
    (医療を国家と分離すれば「権利」の対立で悩まなくて済む)「知る権利」と連呼する卑劣な輩に対峙する覚悟を持つべきだ。自らも卑しくなってはならない
  • 楽園はこちら側

    海外事情」に寄稿した文章です。許可を得てこちらに転載します(初稿)。書いたのは昨年12月なのでデータはやや古くなりましたが、「総括」なので、内容は特に問題ないと思います。御覧ください。 緒言 日の新型コロナ対策を「総括」、すなわち総合的なパースペクティブからまとめようとしたものが過去に2つ存在する。一つは、書籍になった「新型コロナ対応/民間臨時調査会 調査・検証報告書」[1]であり、もう一つは、政府が招聘した新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議が出した「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」[2]である。 しかし、前者はどちらかというと「証言集」に近く、やや厳しい言い方をすれば、「個人の感想」集であり、属人的なものだった。データ解析、ファクトの解析には乏しかった。後者については政府に依頼されて役人が突貫工事でまとめたも

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    paravola 2017/11/21
    (科学がどうこうで出版を禁止しなくて良かった)患者は味方になってくれたかもしれないが科学的な観点からのサポートはできなかった/これに対して、例えば国立がんセンター名誉院長(当時)の主張はデタラメである
  • 曽野綾子氏の言い分について

    曽野綾子氏は2月11日付の産経新聞のコラムで、「外国人を理解するために、居住を共にするということは至難の業だ」と述べている。20〜30年前の南アフリカ共和国で白人だけが住んでいた集合住宅に黒人が住むようになり、「黒人は基的に大家族主義だ」ということでマンションの1区画に20〜30人が住みだしたという体験談を引用、だから「居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい」のだそうだ。 たいていの黒人はこれを聞いて、「曽野綾子を理解するために、居住を共にするというのは至難の業だ」と考えるだろう。曽野氏が心配しなくても、彼女と居住を共にしたい黒人は皆無のはずだから、曽野氏は安心してよい。黄色人種の僕だって願い下げですけど。 昨年12月から1月までエボラ対策でシエラレオネにいた。自然も資源も豊かなのに、今も世界で一番貧しい国の1つである。15世紀にポルトガル人がこの地にやってきて

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    paravola 2015/02/15
    1月までエボラ対策でシエラレオネにいた。15世紀以来、シエラレオネは奴隷狩りの場であった。奴隷貿易が禁止となり、英国の植民地となったあと、首都は自由の象徴として「フリータウン」と名付けられた
  • 楽園はこちら側

    海外事情」に寄稿した文章です。許可を得てこちらに転載します(初稿)。書いたのは昨年12月なのでデータはやや古くなりましたが、「総括」なので、内容は特に問題ないと思います。御覧ください。 緒言 日の新型コロナ対策を「総括」、すなわち総合的なパースペクティブからまとめようとしたものが過去に2つ存在する。一つは、書籍になった「新型コロナ対応/民間臨時調査会 調査・検証報告書」[1]であり、もう一つは、政府が招聘した新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議が出した「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」[2]である。 しかし、前者はどちらかというと「証言集」に近く、やや厳しい言い方をすれば、「個人の感想」集であり、属人的なものだった。データ解析、ファクトの解析には乏しかった。後者については政府に依頼されて役人が突貫工事でまとめたも

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    paravola 2014/11/14
    「売り言葉に買い言葉」
  • 糖質制限は体に良いのか

    糖質制限、すなわち炭水化物を減らし、脂質やタンパク質の比率を増やす事方法は1970年代にアトキンス・ダイエットとして有名になりました。ロバート・アトキンスというアメリカ人が提唱したもので、ぼくがアメリカで臨床研修を受けているときはこのアトキンス・ダイエットが大ブーム。患者さんの中にも(そして仲間の医者たちにも)実践している人がけっこういました。もっとも、日には1950年代に和田静郎という人がやはり糖質制限を推奨していたようですね。 糖質制限を有名にしたのは夏井睦氏の「炭水化物が人類を滅ぼす」(光文社新書)です。ぼくは夏井氏の傷の治療、「ラップ療法」を愛用し、前著「傷はぜったい消毒するな」(同)も興味深く読んだので、書も発売すぐに買いました。 夏井氏はこのの冒頭で「書では、中年オヤジでもスリムに変身できる方法を紹介する」とあり、「誰でも簡単に、短期間で努力なしに、ほぼ確実に痩せら

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    paravola 2014/11/08
    体脂肪率が6%代でやったら、たんぱく質の摂取量が多くなり、筋肉がつきすぎてかえって体重が増えてしまった
  • 医療機関は患者への花を断ってはいけない

    病院では患者への見舞いの花が持参されることは多い。しかし、それが感染管理上の理由で禁止されることが国内でも国外でもある。日では2005年2月25日の朝日新聞の記事「病室 花はどこいった」以来、禁止の態度を取る医療機関が増えていると聞く。 これをぼくは短見だと思う。医療機関は患者に送られる花を断るべきではない。以下、その根拠を述べる。 生花やドライフラワー、鉢植えに病原性のある微生物がいるのは事実である。水には緑膿菌やセラチアなどが繁殖しやすいし、土壌にはレジオネラなど土壌に常在する微生物がいることがある。 しかしながら、「そこに微生物がいる」というのと「それが感染症を起こす」というのは同義ではない。感染症は感染経路が成立していないと発症しないからだ。微生物は感染症の原因であるが感染症「そのもの」ではない。微生物学は感染症学の基盤であるが、感染症学そのものではない。両者を混同しているのが日

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    paravola 2014/11/08
    (花屋さんが喜ぶ)患者についている尿カテーテルの方がずっと感染症のリスクは高い。そちらのほうは無頓着に留置しているのに花瓶を排除するなどとは、リスクの階層作りができていない証拠だ
  • 楽園はこちら側

    海外事情」に寄稿した文章です。許可を得てこちらに転載します(初稿)。書いたのは昨年12月なのでデータはやや古くなりましたが、「総括」なので、内容は特に問題ないと思います。御覧ください。 緒言 日の新型コロナ対策を「総括」、すなわち総合的なパースペクティブからまとめようとしたものが過去に2つ存在する。一つは、書籍になった「新型コロナ対応/民間臨時調査会 調査・検証報告書」[1]であり、もう一つは、政府が招聘した新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議が出した「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」[2]である。 しかし、前者はどちらかというと「証言集」に近く、やや厳しい言い方をすれば、「個人の感想」集であり、属人的なものだった。データ解析、ファクトの解析には乏しかった。後者については政府に依頼されて役人が突貫工事でまとめたも

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    paravola 2014/11/03
    (パニックに強い国なんてあるのか)アメリカもパニックに弱くメディアが狂瀾しやすい/医者は人間の心理を熟知しているべきだ
  • 鼻血問題を考える。

    雁屋哲氏原作の「美味しんぼ」における「鼻血」にまつわる描写が問題になっている。 雁屋氏が炎上マーケティングを狙って、ありもしない鼻血話をでっち上げたのであればこれは非難に値しよう。しかし、ぼくは80年代からの「美味しんぼ」の愛読者であり、彼の性格からしてそういうことはありえないと思う。当に福島で取材をして、当に鼻血や体調不良に苦しむ人に会って、彼の主観として「これは問題だ」と感じたのであろう。 その主観をもとに漫画を作る権利は、どんな漫画家にもある。だから、雁屋氏を非難するのは間違っているし、ましてや小学館を非難するのはお門違いも甚だしい。「スピリッツ」は所詮、エンターテイメント漫画雑誌であり、そこに科学的妥当性を要求する方がどうかしている。 「美味しんぼ」はもともと、「権威を鵜呑みにするな。自分の頭で考え、自分の舌で判断しろ」とバブル時代の日人のの問題にとりくんだ、反権威主義的漫

    paravola
    paravola 2014/05/25
    科学的である、ということは「分からないことに対峙する能力を持つ」とほぼ同義である。「科学的に正しい」「間違っている」と主張する態度そのものが、もっとも非科学的
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