@wogakuzuさんがTwitterで大阪天下茶屋にあった古書店玉樹香文堂(本来は玉樹香文房だが、時に玉樹香文堂)の年賀状(大正6年)を挙げていたので、店主玉樹安造(号芦城)に関する下書きがあるのを思い出した。もう少し調べてからアップするつもりで下書きにしておいたのであろう。しかし、忘れないうちに公開しておこう。 肥田晧三「大阪で出来た異色の本ーー大阪出版一夕話ーー」『大阪府立図書館紀要』10号(大阪府立図書館、昭和49年3月)には、玉樹香文房の玉樹安造に関する一節がある。 香文房玉樹安造氏(芦城と号す)は、船場博労町の旧家の冨田屋の若旦那で、その家は桜のおしろい屋とて古くから著名な白粉商であった。大正十一年家業を廃して古典籍業に転じ、香文房を開業された。以後昭和二十二年に歿するまで大阪和本業界の別格的存在として終始した。もともと学芸に造詣があり、自分の趣味からこの道を選ばれたものゆえ、