言葉が降り積もるとすれば、あなたは、どんな言葉が降り積もった社会を次の世代に引き継ぎたいですか?――2018年2月から始まった、文学者・荒井裕樹さんの連載「黙らなかった人たち」。理不尽な事態に直面したとき、社会に対して黙らなかった「普通の人」が残した名言を毎回紹介しています。このたびの対談は、この春BuzzFeedから独立し、フリーのノンフィクションライターとなった石戸諭さんからのオファーで実現しました。今「待つ」という態度がジャーナリズムにおいて重要なのではないか、という話に始まり、ニュースにならない言葉の価値や社会の分断についてなど、話題は多岐にわたりました。全3回に分けてその様子をお送りします。 「うまいこと」を言わないとニュースにならない 石戸諭(以下、石戸) 今日、どうして荒井さんとお話ししたかったかというと、「黙らなかった人たち」の第2回でお書きになっていたような「励ます言葉」