東芝の本当の「葬式」 東芝は'16年第3四半期で、株主資本が1912億円のマイナスになり、債務超過になることを公表した。今年度での債務超過の解消は絶望的で、19万人の社員を抱える一流メーカーが絶体絶命である。 東芝にとって悪いニュースは続いていて、原発問題に加え、米国産LNG(液化天然ガス)事業で最大1兆円の損失があると見込まれている。 いつ潰れてもおかしくない状況に置かれている東芝だが、原子力をはじめとした発電事業を抱えており、政府の施策ともかかわっているので簡単に解体することはできない。では、今後政府は東芝に「救済」の手を差し伸べるのだろうか。 東芝は株主や銀行の信用不安を打ち消すため、半導体事業や医療機器事業の売却で資金を調達するが、どちらも東芝にとって「宝」と言うべき基幹事業。一方、原子力事業は巨額の赤字を垂れ流し続けていて、民間では引き取り手が現れるはずもない。 事故のリスクなど