LGBTQなど性的少数者や同性婚のあり方を巡り、経済産業省出身の荒井勝喜首相秘書官が3日夜、記者団の取材に「僕だって見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」などと差別的な発言をした。首相官邸でオフレコを前提にした取材に対し発言したが、進退問題に発展しかねず、国会で岸田文雄首相の任命責任が問わ…
雪が降る中、ジャンパーなどを着ずに学生服姿で歩く生徒。この日の最低気温は氷点下2度だった=鹿児島市で2023年1月24日午後4時39分、宗岡敬介撮影 「コートなどの着用は認めない」――。列島を強い寒波が襲う中、一部の学校の校則で生徒の防寒着に制限を設けていることが、毎日新聞の情報公開請求で判明した。「ブラック校則」と呼ばれる学校での理不尽なルールは各地で社会問題化している。なぜ、防寒着はだめなのか。学校側に尋ねると、意外な答えが返ってきた。 「寒いっす。他の生徒でコートを着て学校に行ったら、先生から指導を受けているのを見たこともある」。1月中旬、寒空の中を詰め襟の学ラン姿で歩いていた鹿児島市立の高校に通う3年生の男子生徒(17)が打ち明けた。この生徒は登下校時にコートなどは身に着けず、学生服の中にセーターや高機能な肌着をまとって寒さをしのいでいるという。 鹿児島市教委に2022年度の市立高
7月の参院選で旧統一教会の信者が地区教会幹部から受け取った井上義行氏への投票を呼びかけるメッセージの抜粋(画像の一部を加工しています) 対立候補に中傷ビラ、他人になりすまして投票――。安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに自民党と宗教団体「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)の関係に厳しい視線が注がれる中、複数の信者や元信者が毎日新聞の取材に、選挙運動への関与を証言した。時には法律に抵触しかねない行為にも及んだというが、「信仰のためなら怖くなかった」と明かす。その実態とは。 演説会でサクラ、突き上げた拳 「先生は、最後まで死力をふりしぼって歩んでおられます」「天が立ててくださった人物」「知人友人に勧める行動を」 7月の参院選期間中。東日本に住む現役信者は所属する地域教会の幹部から、SNS(ネット交流サービス)でそんなメッセージを受け取った。 幹部が投票を呼びかける「先生」とは前回参院選で落選
記者会見する新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=東京都千代田区で2021年8月12日午後4時50分、宮間俊樹撮影 東京オリンピック・パラリンピックについて、政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の専門家らが6月にまとめたリスク評価の提言を巡り、政府・与党から専門家に対して「圧力」があったことが浮かび上がってきた。提言を巡る政府と専門家の水面下の駆け引きを検証した。【原田啓之、金秀蓮】 「先生、提言に名前を連ねるのは、やめたほうがいいですよ」。厚生労働省に新型コロナ対策を助言する「アドバイザリーボード(AB)」の専門家メンバーの一人に6月初旬、自民党国会議員から電話があった。提言作成は4月に始まっていた。議員は「五輪の開催はもう決まっている。波風を立てないでほしい」と続けた。「何を言ってるんだと思ったが、ぐっとこらえた」。電話を受けた専門家は毎日新聞の取材にこう振り返った。
12日の毎日新聞の世論調査での内閣支持率急落を受け、政府・与党内に動揺が広がっている。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないことが最大の要因とみられるが、「にやにやして危機感がない」「発信力がない」「リーダーシップがない」などと菅義偉首相に対する不満も噴出し始めた。【木下訓明、竹地広憲】 「政府はろくな手を打っていない」 菅内閣は9月に発足して3カ月が経過したが、毎日新聞の世論調査では内閣支持率が64%→57%→40%と急落している。12月に入って報道各社の調査でも支持率下落が目立つ。自民幹部は「まだ支持政党なしよりも自民支持が上だから危機的とまでは言えないが、内閣にとっては痛手だ」と話した。 首相は経済活動を維持し、新型コロナ感染防止との両立を目指す方針で、自身が主導して始めた旅行需要喚起策「GoToトラベル」事業は継続する考えを繰り返している。しかし、今回の調査でも「中止すべきだ」が
毎日新聞と社会調査研究センターは12日、全国世論調査を実施した。菅内閣の支持率は40%で、11月7日に行った前回調査の57%から17ポイント下落した。不支持率は49%(前回36%)で、菅内閣発足後、不支持率が支持率を上回ったのは初めて。 菅政権の新型コロナウイルス対策について聞いたところ、「評価する」は14%で、前回の34%から20ポイント下がり、「評価しない」は62%(前回27%)に上昇した。新型コロナ対策の評価が下がったことが、支持率の大幅減につながったようだ。 新型コロナに対する日本の医療・検査体制については、「不安を感じる」との回答が69%で、「不安を感じない」は17%だった。「どちらとも言えない」は14%。8月の調査では「不安を感じる」は62%で、「不安を感じない」は23%だった。新型コロナは「第3波」で、新規感染者が過去最多を連日のように更新。重症患者の急増で、各地で病床が不足
毎日新聞と社会調査研究センターは23日、全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は27%で、今月6日に行った前回調査の40%から急落した。不支持率は64%(前回45%)に跳ね上がった。社会調査研究センターとの共同調査は3回目で、最初の4月8日に44%あった支持率が1カ月半で17ポイント落ち込んだ。調査方法が異なるため単純に比較できないが、毎日新聞が従来行っていた電話世論調査では森友・加計問題で政権批判が高まった2017年7月に26%まで下落したことがある。 東京高検の黒川弘務検事長が賭けマージャンをしていた問題で辞職したことについては「懲戒免職にすべきだ」が52%と半数を超えた。「当然だ」は33%にとどまり、厳しい処分を求める声が強い。
「もう耐えられない」。マレー系英国人で英国弁護士資格を持つ専務執行役員は今年5月、日本人幹部にそう打ち明けた。幹部が「全部話してくれ」と問い返すと、「……会長の資金操作があまりにもひどい」。一旦重い口を開くと、そこからは日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)の巨額な報酬隠しや私的流用、自らの関与を告白し始めた。この告白が、半年後、ゴーン前会長の逮捕につながることになった。 横浜市の日産グローバル本社21階には「ゴーンズルーム」と呼ばれるゴーン前会長の執務室があり、隣接するのが前会長の職務をサポートする中枢組織の最高経営責任者(CEO)オフィスだ。執行役員は2014年4月、そこのトップに就任。社内から「こんなに出世するとは思いもしなかった」と陰口をたたかれるほど重用されたのも、前会長の右腕として報酬隠しを主導したとされる前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)と…
<KEY PERSON INTERVIEW> 東日本大震災の発生から5カ月余。「3・11」をきっかけに、日本のエネルギー戦略は「脱原発・再生可能エネルギー推進」へかじを切った。この間、さまざまな議論を巻き起こした菅直人首相はまもなく退陣する。エネルギー政策の行方はどうなるのか。菅首相のブレーン、内閣官房国家戦略室の梶山恵司内閣審議官に聞いた。【聞き手・大迫麻記子】 ◇再エネは21世紀の流れ--国家戦略室内閣審議官・梶山恵司さん(56) --再生エネ法案が成立します。 ◆ 買い取り価格を決める際に、経済産業相だけでなく、農相、環境相らと協議することになったのは大きな前進です。再生可能エネルギー(再エネ)推進に熱心な議員は野党にもおり、修正協議を経て原案より良くなりました。 --今後の課題は。 ◆ 電力会社が送電網を独占していることから起こる弊害が懸念されます。たとえば法案には、安定供給に支障
◇「数万テラベクレル以上」ひとからげ ◇520万テラベクレルのチェルノブイリも、77万テラベクレルの福島も 「最悪のレベル7」「チェルノブイリに並ぶ」。4月12日の各紙夕刊には東京電力福島第1原発事故の評価が「レベル7」に引き上げられたことが大きく報じられた。しかし、引き上げた当の政府内や専門家から「チェルノブイリよりはるかに下だ」なんて矛盾した声が聞こえてくる。一体どういうことかと思い、事故の評価尺度を追っていくと、原子力を取り巻く“想定外”の問題点がまた一つ見えてきた。【日野行介】 この国際評価尺度(INES)は、国際原子力機関(IAEA)が90年に策定した世界共通の評価尺度だ。レベル0~7の8段階で原子力施設で起きた事故を評価する。86年の旧ソ連のチェルノブイリ原発事故は最悪のレベル7(深刻な事故)、79年の米国スリーマイル島原発事故はレベル5(広範囲な影響を伴う事故)と評価された。
かつての原発の建設候補地(右奥)を背に当時を振り返る濱一己さん=和歌山県日高町で2011年5月23日、山下撮影 ◇だまされた国民の責任も問う 福島第1原発の事故を、かつて原発誘致に翻弄(ほんろう)された人々はどんな思いで見ているだろうか。私が勤務する和歌山は近い将来、大地震が予想されている。かつて和歌山でも誘致の是非をめぐっていくつもの町が揺れたが、京都大学の研究者らの助けもあり、ここに原発はない。「危険な原発はいらない」。理由は素朴であり、明快だ。 ◇誘致が浮上し、親類も賛否二分 和歌山県で特筆すべきは日高町と旧日置川町(現白浜町)の誘致拒否だろう。日高町では67年、当時の町長が原発構想を表明して以来、この問題がくすぶった。関西電力は88年、設置に向けた調査に伴う漁業補償金など約7億円を地元漁協に提示。漁協内は兄弟、親戚で賛否が割れ、結婚式、葬式、漁船の進水式に出ないなど人間関係がずたず
漫画やアニメなどの性表現をめぐり、東京都が条例の改正案を提出している。6月の定例都議会で否決された改正案を修正して出し直した。 修正前の改正案では、18歳未満として描かれた漫画やアニメなどに登場するキャラクターを「非実在青少年」の造語で定義した。そして、その非実在青少年による過度な性的行為を描いた漫画やアニメを子供に売ったり、見せたりしないよう関係業界に区分陳列するなどの自主規制を求めるという内容だった。 この中には、児童ポルノについて、「何人もみだりに所持しない責務を有する」との規定もあった。 しかし、6月の定例会では「表現の自由を侵すおそれがある」として否決された。そこで、都は「あいまいと批判された条文をより明確化した」として、改正案を修正のうえ再提出した。 問題となる描写の「まん延抑止」を都民に努力義務として課した規定が削除され、児童ポルノを所持しない責務については、「根絶への自主的
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