とある夜、部屋の明かりを消し、ベッドにうつ伏せになり、ノートパソコンで映画を見る。約2時間にもわたる作品を見終え、恍惚に耽りながら、ぱた、とパソコンの画面を閉じる。その時の、ぱた、と言う音を、感触を、私はその夜を過ごす前から、このパソコンを手元に置くずっと前から、知っている。それはもう6年も前からである。 私の家では私が生まれる前から2匹の猫が飼われていた。母猫のミュウ、その娘のアビの2匹である。年功序列でいえば、猫の○○歳は人間で言うところの××歳〜…などと言う指標で比べる以前に、すでにもう私は一番下のペーペーであった。猫2匹は、幼き日の私が「ペット」と言う概念を知るより俄然先に、私の側で暮らしていた。我が家 - 田舎の、スーパーまで歩けば30分はかかるような場所にある、森に囲まれた一軒家 - の庭が彼女らの主な居住地であり、テリトリーであった。放し飼いである。当時、家をそのまま使い接客