歴代4位の韓国映画『国際市場で逢いましょう』が、韓国人の心をかき乱す理由――「歴史の美化」と「時代に翻弄された父親」の残像 近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。このコラムでは、『韓国映画で学ぶ韓国社会と歴史』(キネマ旬報社)の共著者であり映画研究者の崔盛旭の解説のもと、映画を通じて韓国近現代史を振り返り、社会として抱える問題、日本へのまなざし、価値観の変化を学んでみたい。 『国際市場で逢いましょう』(ユン・ジェギュン監督、2014) 『国際市場で逢いましょう』/ビクターエンタテインメント 1,400万人以上の観客を動員し、韓国での興行ランキング歴代4位に輝いた『国際市場で逢いましょう』(ユン・ジェギュン監督、2014)。一人の男の人生を描きながら、朝鮮戦争やベトナム戦争など韓国現代史を盛り込んだ同作は、韓国国内を熱狂させた。ややもすると地味な作品とな